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久野歯科医院コラム

歯が原因ではないお口、お口周辺の痛みについて

常滑市・知多市の歯科、矯正歯科の久野歯科医院です。
皆様に役に立つ歯の情報をお届けします。

非定型歯痛

非定型歯痛とはレントゲン検査などで明らかな異常が認められず、原因不明の歯痛のことをいいます。
痛みは虫歯の痛みによくにています。

 

代表的な症状と特徴

歯やその近くの歯肉が痛む、歯を抜いた後の場所が痛いが検査やレントゲンの画像には異常が認められない。
痛みの強さは軽くなく、中等度からとても痛く、1日中持続している。
痛みのある周辺の歯の治療、歯肉の治療、神経ブロックの注射などの処置で改善しない。
痛み止めの薬は効かない。

などがあります。

その他の特徴は
1対9で女性に多い
子供はいない
好発する年齢は40〜60才

歯や歯ぐきの痛みの痛みと非定型歯痛を見分けるポイント

歯や歯ぐきの痛みには変動がある。非定型歯痛での痛みは持続的で数週間、数ヶ月つづく
歯の痛みであれば熱いものや甘いもの、冷たいものにしみたり、歯をたたくと痛みや違和感がある。
 非定型歯痛ではこのような刺激に反応せず、食事にも支障がない
レントゲン検査の画像に異常を認めない
歯の痛みであれば歯科治療により改善する。非定型歯痛は改善しない
歯や歯ぐきなどの局所の痛みであれば局所麻酔(麻酔注射)することで痛みはなくなる。
 レントゲン検査で異常が見つからず、歯にひびが入っている場合は局所麻酔により痛みはなくなる。

非定型顔面痛

非定型顔面痛とは顔に持続性の強い痛みが起こっているもので、原因不明の痛みが発現する疾病です。
非定型歯痛の範囲が広がり顔にいたみが拡がっていく場合も多く診られます。

代表的な症状

非定型歯痛の顔面が痛いものであり顔に持続的な痛みがある
各種検査で異常は見当たらない
痛みの強さは中等度から激痛で耐えがたい痛みである
痛み止め、三叉神経痛の薬(テグレトール)が効かず痛みは改善しない

舌痛症・口腔内灼熱症候群

舌痛症は舌の先端や側縁にひりひりする持続的な痛みが起こる病気です。
通常は軽度から中等度の痛みで激しい痛みはありません。

口腔内灼熱症候群は舌だけではなく唇や上顎、歯肉などの口の中全体がヒリヒリしたり、口の中が熱くてたまらないなどの症状を呈します。

舌や口腔内粘膜のヒリヒリ感を訴える疾病にはカンジタ性の口内炎や鉄欠乏性の貧血によって起こる舌の炎症などと鑑別が必要ですが、舌や口腔粘膜に炎症がある場合は味の強い食べ物がしみます。

舌痛症や口腔内灼熱症候群では食事の時には痛みをあまり感じません。

その他の特徴

一般人口の0.7%〜5%で比較的有病率は高い
1対8で女性が多い
40歳〜60歳の中高年に好発する
不安やストレスで発症する場合が多い(舌がんの心配など)

全身の痛みを伴う場合には精神科では疼痛性障害とよばれます。

このような原因不明の痛みはどこからくるのでしょうか?

このような痛みは歯や歯ぐき、顔、舌など局所(末梢)で発生しているのではなく脳の中(中枢部)で痛みを処理するするシステムに変調をきたしているためだと考えられるようになって来ました。

脳に変調が起き、痛みがあらわれるきっかけはストレスであると考えられます。 ストレスとなるものには様々な要因や人のそれぞれの性格などによりちがいがあります。

ストレスにさらされ不安定な心理状態のときにいやな出来事が重なるとそれが引き金になって脳の痛みを処理するシステムに変化が起こり、痛みが起こると考えられています。

非定型歯痛の場合、患者様の70%は歯科治療時に何かのきっかけで発症します。
歯科治療は大きなストレスとなり、痛みを伴えば非常に大きな不快事項となります。

原因不明の痛みの治療について
薬物療法

原因不明の痛みの原因は脳の中(中枢部)で痛みを処理するするシステムに変調をきたしているためですから脳に働きかける薬を使用して治療を開始します。

脳の中のセロトニンとノルアドレナリンを調整する薬(三環系抗うつ薬)を使用します。

一般的にはうつ病の薬なので患者様によっては病の種類がちがうと自分で判断し飲むことをやめてしまうことがありますが脳に働きかけて慢性的な痛みをとるときに使用される薬なのです。

尚、三環系抗うつ薬帯状疱疹の後遺症でおこる強い痛みにもよく使用されています。
4環系の抗うつ薬副作用に眠気がありそれを利用して痛みで眠れない時には眠剤に使用されることもあります。

認知行動療法

1日中、痛みのことを考えている人は薬を使用しても、なかなかその治療効果があらわれず痛みが改善されません。痛みに意識が集中するあまり脳の中の痛みに対する部分が活性化してしまい、薬の効果を弱めてしまいます。

痛みから意識をそらせるために認知行動療法をおこないます。
痛みに対する心構えを変えるようにします。
治療のウエイトは薬物療法8に対して認知行動療法2の割合で行ないます。
交流分析のエゴグラムから自分のことを知ることも大切です。

三叉神経痛

三叉神経は脳から直接出ている12対の脳神経の第5脳神経と呼ばれている神経で第1枝(主に額の部分)第2枝(上顎部分)、第3枝(下顎部分)の3つにわかれそれぞれの領域の感覚をつかさどっています。

この三叉神経の障害で起こる神経痛を三叉神経痛といいます。

代表的な症状と特徴

発作性の鋭い痛みで激痛である
痛みは瞬間的で長続きしない
第2枝(上顎部分)、第3枝(下顎部分)に起こりやすい
片側性である(片方に痛みがはしる)
顔面のある部位に触れると痛みが誘発される(トリガーゾーン)
痛みのない時期がある(寛解期)
カルバマゼピン(テグレトール)が効く

以上のような特徴的な症状がない痛みがあれば非定型歯痛や非定型顔面痛の可能性が高まります。

舌咽神経痛

舌咽神経は脳から直接出ている12対の脳神経の第9脳神経で味覚やのど、舌の奥の部分の感覚をつかさどっています。

舌咽神経の障害によって起こる神経痛を舌咽神経痛といいます。

有病率は三叉神経痛の50〜100分の1といわれていてまれな病気です。

代表的な症状と特徴

痛みが舌の奥3分の1、耳の奥、下顎の角の奥、のどの奥などにあらわれる。
発作性の鋭い痛みで激痛である

三叉神経痛、舌咽神経痛は発作神経痛とよばれ、三叉神経痛、舌咽神経痛とも原因の90%加齢により脳の血管が硬くなり蛇行して三叉神経や舌咽神経い食い込むようになるために起こるようです。

発作神経痛は通常50歳を過ぎるごろから始まるといわれています。

残りの10%の原因は神経を圧迫しているものが硬くなった血管ではないものです。
脳腫瘍、動静脈の奇形、多発性硬化症などがあげられます。

発作性の神経痛が20〜30代で起こる場合は特に精密検査が必要です。

三叉神経痛、舌咽神経痛の治療について
薬物療法

カルバマゼピン(テグレトール)などの抗てんかん薬を使用します。
抗てんかん薬の脳の興奮を抑える作用が発作神経痛にも効果を発揮します。

外科療法(手術療法)

薬物治療で効果がないときに選択されますが発作性神経痛の診断がしっかりと行なわれてからの選択となります。

熱や薬で神経を凝固させる「ブロック治療」と圧迫している血管を神経から引き離す「微小血管減圧術」の二つがあり年齢や体力、全身疾患の有無、などを考慮して選択されます。

最近では放射線治療の「ガンマナイフ」による治療も試みられています。

 

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