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久野歯科医院コラム

歯周病治療のなかの再生療法について

常滑市・知多市の歯医者、久野歯科医院です。
皆様の役に立つ情報をお届けいたします。

歯周病は歯周病菌による感染症です。

歯周病が進行すると歯を支えている歯周組織(歯根膜、歯槽骨)が破壊されていきます。

歯周病を治療するには
原因の細菌バイオフィルムを歯根の表面の壊死して変質した
セメント質、歯石とともに器械的に除去することになります。

この基本治療を適切に行うことができれば
歯周組織の炎症は消退して歯周病の進行を抑え、食い止めることができます。

しかしこのスケーリング、ルートプレーニングを中心とした
歯周病の基本治療は原因の除去療法であり、
歯槽骨などの新生を伴った歯周組織の再生は見込めません。

歯の周りの骨を再生する治療法について

歯周病治療には歯周病が原因で失われた歯の周りの骨を再生する、以下の治療法があります。

1.GTR(ガイデッド ティッシュ リジェネレイション)歯周組織誘導手術
2.EMD(エナメル マトリックス デリバティブ):エムドゲイン
3.FGF-2(塩基性線維芽細胞増殖因子):リグロス

1.GTRについて

GTRは1982年にS.Nymanらにより発表された
歯周病治療の再生療法です。

GTRは人工の膜(メンブレン)を歯肉と
他の歯周組織(歯根膜や歯槽骨)の間にいれる方法です。

歯周組織が破壊され、空洞になってしまった部位の
歯肉の下の部分に人工の膜を挿入します。

精密検査を行った後の歯周外科手術
(フラップオペレーション)の後、
一般的には歯肉上皮の治癒が骨の治癒より先に起きます。

人工の膜(メンブレン)を留置することにより
歯肉の上皮の内部への侵入をふせぎ、
代わりにセメント質や歯槽骨が再生されます。

非吸収性のメンブレンと組織吸収性のメンブレンがあり、
非吸収性のものは4~6週間後に歯周組織が再生されてから、
もう一度メンブレンを除去する手術(リエントリー)が必要です。

手術が2回必要であることは患者様には大きな精神的、
肉体的な負担となります。

非吸収性メンブレンは人体にとって異物なので免疫反応が起こり、
さらに細菌の繁殖する可能性も否定できません。

しかしリエントリーを行うことで歯槽骨の再生が
しっかりと確認できる利点もあります。
その点では 組織吸収性のメンブレンは
リエントリーの必要がないので1回で手術が終了します。

細菌の感染には非吸収性メンブレンにおいても注意が必要です。

またインプラント治療のなかで
インプラント体(フィックスチャー)を埋入する
手術の際などに骨量が少ない場合などに
人工骨などとともにメンブレンが使用されます(GBR)。

GTR・GBRの手術は難しく
テクニック・センシティブであるといわれていますが
GTR法は保険治療が可能です。


歯周病で歯周組織(歯槽骨)の
破壊された状態の模型です



上の部位にGTRメンブレンの
留置された模型です

2.EMD
(エナメル マトリックス デリバティブ):エムドゲインについて

スウェーデンのビオラ社で開発されました。

エムドゲイン(主成分:エナメル マトリックス デリバティブ)は、
赤ちゃんの時の歯の発生過程の研究からうまれた
ブタ歯胚組織を使用した歯周組織再生用材料です。

歯槽骨が破壊された歯根にジェル状の薬剤を塗布する方法です。

安全性が高く副作用の報告はありませんが
生物由来の薬剤なので
患者様への十分な説明と患者様の了承が必要です。

精密検査を行った後の歯周外科手術(フラップオペレーション)
の際に歯根表面の壊死して変質したセメント質、
歯石などを除去してきれいに、滑らかにした歯根面に
エムドゲインを 塗布することにより
歯の発生過程に似た環境を再現し歯周組織の再生を促します。

エムドゲインはGTRのように膜(メンブレン)を
歯肉上皮の下に留置することがなく、
GTRほど感染や合併症の危険性はありません。

手術も従来の歯周外科手術(フラップオペレーション)に
ジェル状のエムドゲインの追加塗布をするので
GTRほどむずかしくはありません。

しかし保険治療が認められておらず保険外診療となります。
歯周病の程度、状態にもよりますが
骨の再生量はGTRの方がエムドゲインより勝ります。


エムドゲイン


3.FGF-2(塩基性線維芽細胞増殖因子):リグロスについて

リグロスは組み換え型FGF-2(bFGF)
(塩基性線維芽細胞増殖因子)を有効成分とする
世界で初めての日本発の歯周組織再生医薬品です。

塩基性線維芽細胞増殖因子(basic Fibroblast Growth Factor)は
現在、再生医療の分野で大きな注目を集めていて、
すでに皮膚科領域では床ずれ、皮膚潰瘍の治癒促進効果と
安全性が確認されて利用されています。

様々な基礎的な研究から臨床治験が行なわれ、
エムドゲインにも勝るとも劣らない
臨床試験の結果が得られています。

適応症としては
歯周ポケットの深さが4mm以上骨欠損が3mm以上
垂直骨欠損がある場合とされています。

リグロスの禁忌
この薬剤に対する過敏症の既往のある方や口腔がんの患者様、
その既往のある方とされています。

FGF-2に発がん性はありませんがこの薬剤の性格として
腫瘍細胞がある部位に投与されると
腫瘍細胞の増殖や転移を促進することが示されています。
重い副作用の報告はありません。

エムドゲインと同様に歯周精密検査後、
歯周外科手術(フラップオペレーション)を行い
リグロスを使用する予定の部位にたいして
スケーリング、ルートプレーニングにより
歯槽骨の欠損部にあるプラーク、炎症性の肉芽組織、
歯石、壊死セメント質を十分に除去することが絶対に必要です。

その後滅菌された生理食塩水にて洗浄を行い
骨欠損部を満たすようにリグロスを塗布します。

保険治療が認められ
2017年5月より歯科医院でリグロスによる治療が
保険でできるようになりました。

今後エムドゲインにくらべて効果の上でも優位性があり、
保険治療ができることでリグロスが歯周外科手術
(フラップオペレーション) 時に活用されることが
多くなることが予想されます。


歯周ポケットの深さが4mm以上で
骨欠損が3mm以上の垂直骨欠損


リグロス

 

GTR,エムドゲイン、リグロスなどを使用した歯周病の再生療法は
歯周病の基本治療がしっかりと行なわれ、
表面的な炎症の消退していることや
プラークコントロールをはじめとするオーラルケアが十分にできていることが
再生療法を成功に導く大きな前提条件となります。

手術後のメインテナンスも非常に重要です。

GTRに必要なメンブレンテクニックを駆使し、最新の歯周組織再生剤を使用しても
歯周病によって破壊された骨欠損部位の歯根面がしっかりとクリーニングできていなければ
再生療法の成功はありません。

歯科・矯正歯科 久野歯科医院 院長

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