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スタッフBlog

常滑市の久野歯科医院スタッフブログです。
定期的に当院からの新たなお知らせや矯正歯科治療の特徴、症例等について更新しております。是非ご覧下さい!

常滑市大野町在住 MA様 治療経過の報告(その9)

歯ならび、不正咬合で、お悩みの方へ
常滑市の歯科、矯正歯科の久野歯科医院です。

了解をいただきました主に常滑市のご在住の患者様の
矯正歯科の治療経過を通して処置方針、治療期間、治療費用などをお知らせいたします。

どのように治療が進んでいくのか治療経過の写真を提示して説明してまいります。

上顎右側埋伏していた犬歯を開窓し、
露出した犬歯の頭の部分(歯冠部)にリンガルボタンを接着しました。

開窓した犬歯のリンガルボタンを上顎のワイヤーを抵抗源(アンカー)として
パワーチェーンにて牽引を開始しました。
開窓された犬歯の歯冠は深い位置にありこの写真ではみえていません。

犬歯を牽引して歯列弓に近づけることが目的ですがその反作用として
アンカーのワイヤーが歪んで歯列弓が乱れることが予想できます。
反作用を防ぐために抵抗源を下顎の右側犬歯と第一小臼歯にもとめます(加強固定)

犬歯は第一大臼歯とともに咬合の鍵となる歯で歯冠部は大きく歯根部も長いです。

徐々に時間をかけて牽引していきます。


上顎右側埋伏犬歯の開窓手術・リンガルボタンの接着は
常滑市民病院の口腔外科の籐武智博士にお願いしました。

次回は常滑市榎戸町在住のKM様の治療経過を報告する予定です。

東京歯科大学愛知県同窓会の学術講演会

常滑の歯科、矯正歯科の久野歯科医院です。

先日の日曜日に愛知県歯科医師会館にて東京歯科大学愛知県同窓会の
平成29年度の学術講演会が行なわれました。

題目:「歯科臨床のための機能解剖学」
講師:阿部伸一主任教授(東京歯科大学解剖学講座)

少し専門的な内容になってしまいますが皆様に報告いたします。
阿部先生は東京歯科大学の解剖学教室の主任教授で研究はもとより、
テレビなどのメディアにもしばしば登場され教育の面においても
学生の面倒見もよく同窓のご父兄にも信任の熱い素晴らしい先生です。

歯科臨床のために知っておきたい機能解剖学

歯科臨床のために知っておきたい機能解剖学の知識として

骨は常にリモデリングしている。骨のリモデリングには歯から伝わる力が必要であることや
有歯顎の顎骨を2階建ての家に、歯を喪失した顎堤部分を平屋の家にたとえ、有歯顎の歯槽部を
含んだ顎骨内の構造と歯を喪失した顎堤部分の顎骨内の構造の相違とインプラント埋入後の
顎骨内の構造の変化についてお話いただきました。

有歯顎の血管神経の分布・走行を知る以上に歯の喪失した部位の血管神経の分布・走行を知ることが
臨床では必要で大切であることや機能の低下による下顎骨、上顎骨の加齢的変化、上下顎の加齢的変化の
相違について解説していただきました。

総義歯作成のために知っておきたい解剖学

つづいて総義歯作成のために知っておきたい解剖学として

口蓋腺、舌下線など唾液腺の特性や分布、顎舌骨筋との関係などの解剖学的見地からの
義歯床縁の設定の根拠について説明していただきました。

口腔内小手術、インプラント治療のために知っておきたい解剖学

さらに口腔内小手術、インプラント治療のために
知っておきたい解剖学として

口腔内小手術、特に第三大臼歯の水平埋伏歯の抜歯や
インプラント手術に際して注意を要する神経として

最後臼歯の舌側の奥に位置する舌神経に注意を払うこと

加えてインプラント手術に際しての下歯槽神経の損傷
 インプラントによる下歯槽神経への近接・圧迫での
 下口唇麻痺
にも注意が必要

臨床的に下歯槽神経までの距離に余裕をもたせることが大切

オトガイ孔より出た神経は麻痺が出やすく、切歯孔から出た神経、
 切歯枝は麻痺が出ないなど部位により差異があること

などを解説していただきました。

インプラント手術における注意を要する血管ついては
下顎の第1、第2小臼歯部の舌側部分には舌下動脈があり、下顎前歯部の舌側への
穿孔による血管損傷などの具体的な部位を示して説明していただきました。

インプラント手術において抜歯即時インプラントの埋入や粘膜の切開を必要としない
フラップレスサージュリィーなどの技術を要する高度な手術は解剖学に裏付けられた
ものでなければ成立しないこと再確認いたしました。

また下顎孔の伝達麻酔について
舌神経と下歯槽神経の位置関係と下歯槽神経に麻酔が奏効していないときの
麻酔薬の追加位置について解説していただきました。

口腔機能の健全な発達とそのメカニズムについて

講演の後半は口腔機能の健全な発達とそのメカニズムについて
”コスメティック”的な要素も含め解説していただきました。

さらに口腔機能の知識の延長にある
「総義歯作成の勘所及び関連する高齢者の咀嚼・嚥下機能」に関し、
解剖学的側面からお話をいただきました。


内容

● 最近はスマートホンを利用する時間が長くなり、猫背など姿勢を悪くしストレートネックとなり
  前かがみの状態を作り出すこと

 首が前方に湾曲していることが大切であること

 咀嚼の主機能部位は上下顎第2小臼歯と第1大臼歯の部位が理想であること

● 扁咀嚼などのかみぐせが悪影響をおよぼすので正しい咬みかた、飲み込み方が大切である。

 高齢者の補綴処置には補綴物装着から2〜3日から2週間程度の慣れる時間(脳トレの期間)が必要である。

 筋肉は運動を行うと強くする事ができるので口の周りの筋トレが有効である。

などで口の周りの筋肉の運動や顎関節の動き、エックス線テレビを使用した嚥下の動態を
詳しく具体的に説明していただきました。

最後に
フレイルにならないようにするには、
あるいはフレイルから抜け出すためには
口腔機能の維持・向上と回復が重要であり、
それには補綴処置が大きくかかわってくる

ことを説明していただきました。

私は東京歯科大学愛知県同窓会の学術担当を6年間担当しており、
これが最後の私が担当する学術講演会となります。

会場には多くの東京歯科大学の愛知県の同窓会員が集まり、
学術講演会を企画している一人としてはとてもうれしく思います。

常滑市の歯科、矯正歯科
久野歯科医院 院長

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