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常滑の矯正歯科 久野歯科医院 ≫ 久野歯科医院コラム
常滑市の歯医者、久野歯科医院です。
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最近、高齢化社会となり、老年医学の分野でロコモティブシンドローム、サルコぺニア、フレイルなどの
言葉をよく耳にするようになりました。
ロコモティブシンドロームとは
運動器症候群と呼ばれ、骨や関節、筋肉などの衰えが原因で歩行や立ったり座ったりの日常生活に支障を
きたしている状態をいい、
サルコペニアとは
高齢化、老化のために筋肉が弱くなっていく病態のことを言います。
これまで高齢になるにつれ、活力や筋力が衰えていくことは仕方が
ないと考えられてきましたが食事の改善や咬むことや飲み込むこと
などの口腔機能の改善と積極的な運動などで老化を予防したり、改善
することがわかってきました。
フレイルって何でしょうか?
フレイルは放置しておくと要介護につながる健康状態と病気の中間に位置しており、
複数の慢性疾患が存在するとその影響もあって毎日の生活する能力が低下して心身が弱ってくる状態となります。
その一方で適切な介入と支援により早期に改善ができれば自立した生活にもどれる状態でもあります。
高齢者が急速に増加し続けている現代社会において、フレイルに早く気づいて、早くただしく治療や予防をする
ことは非常に重要です。
こんな症状のある人は注意が必要です。
● 体重の減少:
意図していない1年間の体重の減少が4〜5kgまたは体重の5%以上の体重の減少
● 疲れやすい:
疲労感は主観的なもので具体的には何をするのも面倒だと週に3〜4日以上感じる
● 活動量の低下:
家から出なくなったなど身体的な活動量の低下
● 歩行速度の低下:
青信号が渡りきれないなど歩く早さが遅くなる
● 筋力の低下:
階段を登るのがつらい、握力が落ちてきたなど筋力の低下
の5項目があり、
3項目以上あるとフレイル、1又は2項目だけの場合はフレイルの前段階であるプレフレイルと判断します。
フレイルの状態に陥ると
死亡率の上昇、身体能力に低下が起こり、
免疫力が低下して病気に罹りやすくなり
ストレスに弱い状態になります。
風邪から肺炎を併発したり、体が思うように動かず転倒しやすく、打撲や骨折をする可能性が高くなり、入院すれ
ば環境の変化に対応ができないで、一時的な混乱が起きて感情のコントロールができない場合もしばしば見受けら
れます。
フレイルの状態に家族や医療の従事者が早く気づき対応できればフレイルの状態から抜け出すことが可能で健康な
状態に改善したり要介護状態になるのを避けることができると考えられています。
フレイルは健康な状態と要介護状態の中間の位置に存在して、適切な介入や処置により機能を取り戻すことが可能
な時期です。
虚弱というと身体的・肉体的な問題が連想されますがフレイルは
から成り立ち多面性を持っています。
フレイルを予防しフレイルから健康な状態を取り戻すためには
お口に関係することが多くかかわっています。
フレイルを予防しフレイルから健康な状態を取り戻すためには口から食物を食べることがとても大切なことにな
ります。
高齢化に伴う、むし歯や歯周病などで歯が抜けると咬む力が衰え、だんだんと食べられるものが減ってきます。
食べられるものが限られてくると栄養に偏りが出てきます。
歯が少ないほど食事がおいしく感じられなくなります。
高齢になりますと複数の基礎疾患(高血圧症、高脂血症、糖尿病など)にかかっている方も多くなりますが、
多くのお薬の内服により唾液の分泌が減少し食欲の減退につながる場合があるので注意が必要です。
フレイルの予防には
筋肉や内臓、骨、血液、肌、髪などの元になるたんぱく質が必要です。
特に体内で合成できない必須アミノ酸を摂る事が重要です。
たんぱく質はお米、肉、魚、大豆、牛乳、卵などに多く含まれています。
お米には必須アミノ酸が多く含まれていてエネルギー源である炭水化物も多く含まれています。
お米を主食にして良質なたんぱく質を主菜から、ビタミン・ミネラルを副菜から摂りよく咬んで食べることが
身体の虚弱(フィジカルフレイル)、こころ/認知の虚弱(メンタル.コグニティブフレイル)の予防につながっ
ていきます。
良く咬めて食事ができれば、食への興味も増し、引きこもりを防止して、外出し食事の機会も増えます。
友人、家族と共にする食事は社会性の虚弱(ソーシャルフレイル)の予防にもつながります。
孤食はうつ傾向が高くなり、低栄養になりやすく、悪影響を与えることがわかっています。
口腔機能の向上とは
お口のなかの清掃やお口の中をきれいに保つこと(口腔ケア)と摂食嚥下機能訓練のことをいうのですが、
歯を失くさないようにするには、ここでもむし歯と歯周病の予防が大切なことになってきます。
残っている歯の数が少なくなれば低下した口腔機能を回復するために、特に咀嚼能力を回復するために
入れ歯が必要になってきます。円滑な嚥下(飲み込み)にも入れ歯はとても重要です。
食物を飲み込むときは口を閉じて、上下の歯(入れ歯)をあわせて舌をうわあごに押し付けて飲み込みます。
歯(入れ歯)がないと円滑な嚥下ができません。
フレイルの予防で大切なことは
「しっかり咬んで、しっかり食べて、しっかり歩き、
しっかり社会性を高く」することであると考察されています。
常滑市の歯科、矯正歯科
久野歯科医院 院長