常滑にて満足度の高い矯正歯科治療を行っている久野歯科医院の院長です。
矯正歯科に関する最新情報から、患者さんがご自宅で口腔ケアを行う際のお役に立つような歯科情報までお届けしています。
今回は矯正歯科治療時の盲点となる「矯正前にむし歯があった場合の対応とむし歯予防のPOINT」について掲載をします。
「すぐにでも矯正治療を始めたいです!」とご要望いただき、現在の口腔内を確認した所、むし歯が見つかるケースは意外とよくあります。
その場合、矯正治療を開始する前に先にむし歯の治療を行う必要があります。ごく初期のむし歯の場合、経過観察としながら矯正治療を進める場合もありますが、基本的にはまずはむし歯を治すのが先となります。
以前から歯並びを綺麗に整えようと矯正治療を検討し、やっとの想いで医院を訪れ治療を進めようとした時にすぐ開始できないのは、やはりガッカリします。「今あるむし歯の治療を先にする必要があります」とお伝えをした際に、とても残念そうな患者さんの反応を目にします。
そのため、このような矯正歯科治療前のハードルとならないよう、普段からできるむし歯予防のポイントについて詳しくお伝えします。
■記事の再執筆日:2021年9月6日(月)18:30
適切な矯正歯科治療のためにも、むし歯予防対策を行いましょう
むし歯を予防するオーラルセルフケア
むし歯の原因は「むし歯菌であること」を以前に院長ブログにてお伝えをしました。
そして、むし歯菌は糖質をエサにして酸を作り出し歯を溶かします。
「むし歯菌、むし歯菌のエサとなる糖分、各個人の口腔内環境」の3条件が揃うと、むし歯を招くことになります。
各個人のお口の中の環境には、歯ならびや唾液の量、歯の質などもあります。
この3条件それぞれへ対策を行えば、むし歯予防が可能となります。そのため、
むし歯を効果的に予防するための以下3つのポイントを意識し、オーラルセルフケアを適切に行いましょう。
普段から適切なオーラルケアができていることで、「いざ矯正治療を開始したい!」といった時にすぐに進めることができます。
ポイント1:ブラッシングで歯垢をシッカリと取り除く
歯垢をしっかり取り除くことで、むし歯菌の数を減らします。まずはこれが基本的且つ非常に効果的です。
ブラッシングは正しい知識を学び正しい方法で、適切な良い道具を使い行わなければなりません。
【正しい歯ブラシの持ち方】
正確に毛先を歯の表面に当てるために、柄の部分を鉛筆を持つようにして持ちます(これをペングリップといいます)
【正しい歯ブラシの選び方】
ちゃんと新しいものを使用します。歯ブラシの交換はブラシヘッドから毛先が拡がって見えてきたら、すでに交換時期は過ぎています。
使用方法にもよりますが、使い始めてから1~2か月ほどで交換をすると良いでしょう。
新しいものと交換時には、古い歯ブラシでは失われたブラッシング効果・ブラッシング効率を実感できます。
常滑の矯正歯科専門 久野歯科医院では、歯ブラシはオーラルケアのタフトシリーズを薦めています。
品質がとても良く、グリップも持ちやすく、毛の硬さも豊富です。
価格は110円(税込)と安く経済的で、色が多く家族が多くても間違えにくく、気軽に交換をできます。
毛の硬さはミディアムソフトが良いでしょう。
歯肉が腫れて痛む場合や手術の後には、エキストラソフトやスーパーソフトが適しています。
しかし、日常で使用する場合はある程度の硬さ(コシ)がないと、バイオフィルムを効果的に取り去ることができません。
また、健康の維持のためにはやや硬めのミディアムが歯肉のマッサージ効果も期待できてお薦めです。
【歯ブラシの正しい当て方】
2種類の方法にてブラッシングを行います。
歯と歯の間は、頬側は歯の表面に毛先を直角に当てて振動させるように細かく動かします。
舌側は、舌があるので歯の表面へ45度の角度で毛先を当ててブラッシングします(スクラブ法)
歯と歯ぐきの間は、毛先を歯周ポケットに向け45度の角度で毛先を当てて細かく動かします(バス法)
そして、咬み合わせの部分は毛先を咬み合わせの部分へ当てて、やや強めに溝の部分をブラッシングします。
【ブラッシング時の注意事項とコツ】
・時間を決めて、10分ぐらい磨くと良いでしょう。
・10分のブラッシングは長いと感じるでしょう。ブラッシングの最初は歯磨き剤を使用しないか少量にとどめ、ブラッシングの仕上げに歯磨き剤を使用すると良いでしょう。
・お風呂などに歯ブラシをおき、入浴中に歯ブラシをするなど工夫をしてブラッシングの時間をつくりましょう。
・テレビ、新聞、週刊誌などを見ながら歯ブラシをするなど「ながら磨き」もオススメです。
・肘を机の上におき、腕が疲れないように工夫をしましょう。
・毎食後、お茶などを飲みお口の中の酸性度を中和してから3回磨ければ理想的です。
・時間が取れないときは、夜寝る前に必ずしっかりと丁寧に磨きましょう。
「朝起きたらすぐに歯を磨く習慣」を身に着ければ、全身の健康のために非常に有効です。
ポイント2:フッ化物(フッ素)を効果的に利用しましょう!
フッ化物(フッ素)には、歯を構成するカルシウムやミネラルなどが溶けだす「脱灰」を抑え、溶けだした成分を再び歯に取り込む「再石灰化」を促進する働きがあります。
身近なところではお茶にもフッ素は入っています。歯磨き剤はできるだけフッ化物の入ったものを利用しましょう。
最近では、高濃度のフッ化物含有の歯磨き剤も登場していますので、見つけた時に予め買っておきましょう。
ポイント3:ダラダラ食いをしない規則正しい生活をする
冒頭でもお伝えしましたが、糖分はむし歯菌のエサになります。食べたらこまめに歯磨きをして、お口の中の食べかすを取り除きましょう。
ダラダラと長時間食べていると、お口の中の酸性度が唾液により中和できず、歯が溶けやすい状態が長時間続いてしまうので避けましょう。
常滑で矯正治療前の虫歯治療を行うなら、一度ご相談下さい
当院では適切な矯正歯科治療を行うため、矯正治療前のむし歯治療やむし歯予防に関するアドバイスを行っています。
また矯正前にはむし歯が無くても、治療最中にご来院いただい際にむし歯が見つかることもあります。
そのような場合も基本期には先にむし歯治療を完了させます。矯正治療前や治療中にむし歯にならないよう、本日ご紹介しました「むし歯を予防するPOINT」をおさえ、日々の口腔内ケアを是非行っていただきたいと思います。
もちろん、むし歯以外にも歯周病や親知らず等、様々な症状があります。
当院では専門的な矯正歯科治療によって美しく機能的な歯並びつくるだけでなく、患者様が長期的に快適な食生活を送ることができますよう口腔内ケアや歯科治療に関するトータルアドバイスに力を入れています。
短期的な治療によって、一旦問題無く快適な食事をできるようになったとしても、数年後に何らかのトラブルやマイナスがあっては意味がないと考えます。
そのため当院では、長く快適な食生活を送ることができるといった点へ注力しております。
【本記事の執筆者について】 常滑の矯正歯科専門 久野歯科医院 院長 久野昌士
≪院長の略歴≫
昭和57年:東京歯科大学を卒業する。
昭和57年~61年:東京歯科大学補綴第二講座に在籍
昭和62年~平成1年:愛知学院歯学部口腔外科第二講座研究生
・名古屋YDCAスタディグループ
コンプリートデンチャー研究会に在籍をしながら、
名古屋顎矯正研究会に参加し、現在に至る。