常滑の歯科、矯正歯科の久野歯科医院です
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正中離開の治療・その2
歯周病治療と床型矯正装置を使用して歯の隙間の閉鎖、治療を報告します
歯周病を伴った部分矯正歯科治療の例
治療開始前
患者様は67歳女性です
長年の歯周病により下顎の前歯が上の前歯を突き上げるようにあたり、その結果前歯の隙間が目立ってきました。
歯周病の治療を先に行い、その反応を見ながら部分矯正治療を計画します。
歯周病の基本検査で真性の歯周ポケットの存在を確認しました。
歯周ポケットの深さを測り、歯がどの方向に動くかを確認し(動揺度)、歯周ポケットからの出血、出血程度を検査しました。
歯と歯ぐきの間には歯垢(プラーク)が付着し、左上の中切歯からは出血と排膿がみられます。
歯と歯ぐきの間は帯状に赤くなっていて歯間乳頭も腫れています。
さらに下顎の前歯は歯垢(プラーク)が多量に付着し、腫れと出血がひどくグラグラと動揺する部位もありました。
治療の開始と経過
口腔内の写真撮影を行い、現在の歯ぐきの状態を説明して、このまま放置すれば近い将来歯を抜くことになるであろうことを説明し、モチベーションを行いました。
歯科医院での歯周ポケットの中のプラークコントロールと歯周ポケットの中の洗浄を繰り返し、プロフェッショナルケアを継続的に行いました。
その結果、比較的良好な歯肉の反応が認められました。
長年の習慣、年齢、現在の口腔清掃状態などを考慮に入れて、いつでも矯正歯科治療を中断し歯周病治療に重点が置けるようにブラケットとワイヤーによる固定式の治療用装置は使用せず、前歯の部分矯正には取り外しのできる床矯正装置の一つで、主に保定に使用される「ホーレーリテーナー」を使用しました。
治療後
歯周基本治療が功を奏し、上下前歯部の歯肉の赤み、腫れはひきました。歯周組織が改善され良好な状態で歯と歯の隙間を閉じることができました
この状態を長くたも保つためには毎日のホームセルフケアと定期的な歯科医院でのプロフェッショナルケアが必要です
歯周病はケアを怠ると元の状態になりやすく歯周組織が弱り、歯が病的に移動して隙間が再びできてしまいます