常滑の歯科、矯正歯科 久野歯科医院です
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正中離開の治療・その5
マウスピース矯正のアソアライナーによる前歯の隙間の閉鎖、治療を報告します(その2)
患者様の概要
患者様は17歳女性です
上顎の前歯が出ていることと歯と歯の間に隙間があることを主訴として来院されました。
口呼吸と舌の悪習癖があるように思いました。
悪習癖があると後戻りの大きな原因になるので注意が必要です。
子供の時の悪習癖は機能訓練を十分行って取り除くことが可能ですが永久歯列が完成し成人になりますと悪習癖を取り除くことが難しくなってきます。
歯周病とむし歯の基本的な検査を行い、異常が認められなかったので、続いて口腔内写真と顔貌の写真撮影レントゲン写真の撮影、研究用模型の採得を行い診断を行いました。
臼歯関係はClass2、犬歯関係もClass2の上顎前突です。
下顎の前歯にも隙間がありますが今回の患者様のご希望は上顎の前歯の隙間を閉じる部分矯正歯科治療なので下顎の方は治療対象となっておりません。
処置方針と治療経過
しかし上顎の前歯の隙間を閉じただけでは、お口の前突感はなくならず、お口が閉じられない為に口元の不自然な緊張感が残ります。
歯と歯の間を閉じた後、前歯のストリッピングを行い全体的に上顎の前歯を後方に移動するように計画しました。
患者様は来院当初からアソアライナーによる見えない矯正装置の使用を希望されておりました。
アソアライナーなどのクリアプラスティックアプライアンスは空隙の閉鎖に最も適応しやすい装置の一つです。
患者様は治療の途中まではアライナーの使用上の注意を守ってくださり順調に矯正歯科治療がすすみました。
その後装着時間が短くなった時には装置の効果が十分に得られないで治療期間の延長がありました。
取り外しができる透明なアソアライナーの良い点でもあり欠点でもあります。
患者様の意思の強さが多分に影響する治療法です。
処置方針通り歯と歯の隙間を閉鎖した後、ストリッピングを行い歯の傾きのさらなる改善と前歯群の後方への移動を行いました。
治療後
最終的に仕上げに使用したアライナーで保定期間に入ります。
保定期間は動的治療に使った時間程度は最低限、必ず必要です。
今後は口呼吸、舌癖を改善できるかが後戻りに大きく関係すると思われます。
治療期間8ヶ月
治療費用25万円
※ストリッピングとは隣り合っている歯と歯の間をエナメル質の範囲で削って歯を移動させるためにスペースを作る方法です。