常滑の歯科、矯正歯科 久野歯科医院です
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災害時のオーラルセルフケア
1995年1月17日は阪神淡路大震災の起きた日です。
早朝に大きな揺れを感じ、揺れている時間も長く感じられました
朝のニュースでは阪神高速道路神戸線が横倒しになっている光景が映し出され私は非常に強い衝撃を受けたことを今でも覚えています。
2011年3月11日午後2時45分に東北を襲った大地震は東日本大震災といわれ、多くの人の尊い命を奪いました。
東北の大地震は何の前触れもなく、起こりました。
地震が発生した当時、当院は診療中で眩暈が起こったような大きな横揺れが長時間続き、南の窓の縦のブラインドが大きな振幅でゆっくりと動いておりました。
地震は現在の科学では予知は不可能であることを痛感し、大地震から命を守るためには家の耐震補強をして、外出先では想像をたくましくして避難のルートを確認したり、常日頃からの備えを怠らないことが大切であることを知りました。
とは言っても私がしっかり地震の備えができているかといえば毎日の忙しさと面倒くささに流され、できていないのが現状です。
忘れがちな入れ歯の持ち出し
災害に遭遇することを想定して非常用持ち出し袋を手元に用意している方もいると思いますが、意外と忘れがちなのが「入れ歯」です
東日本大震災のような海溝型の地震で津波から非難さる際には避難所での生活を余儀なくされます。
その時に入れ歯がないとものを食べるのに困ることが予想されます。
入れ歯はその人だけに合うように作られ、ほかの人のあごには合いません。
他の人の眼鏡を借りるようにはいきません。
緊急時にも入れ歯を必ずお口の中に装着して避難するように心がけましょう。
夜寝るときには枕元に懐中電灯や靴とともに入れ歯のありか、ケースを確認して休みましょう。
大切な避難生活時のオーラルセルフケア
避難生活が長くなるとお口の中のケアを行って清潔に保つことが平時にもましてとても大切になってきます。
避難所など多くの人が出入りする場所では冬などにはお口の中を清潔に保つことはインフルエンザや風邪、肺炎の予防に重要であるといわれています。
高齢者は長引く避難生活で気力、免疫力が低下して口腔機能が低下傾向にあるので入れ歯の洗浄や歯磨きが十分でなくなると誤嚥性肺炎が起こりやすくなります。
避難生活の食事は保存性が重視されるため乾パンやクラッカー、ビスケット、パンなど水分の少ないものが多く、災害を受けたストレスが加わって唾液の分泌量が少なくなりお口の中が乾きやすい状態になります。
唾液には殺菌効果があり、お口の中の汚れを洗い流してくれる働きもあるため、口腔乾燥状態はさらに免疫に影響を与えます。
唾液の分泌を促すためにはガムをかむこともよい方法であると思います。
災害、非常時のオーラルセルフケア
避難生活の初期には水が貴重品となることが予想されます。
水が少ない時の歯の磨き方
歯ブラシの毛の部分が水につかるぐらいの少量の水(30ml)をコップに入れて歯ブラシを濡らします。
歯を磨きます。
歯ブラシに汚れは水に少し水で濡らしたティッシュなどでふき取りながら歯磨きを続けます。
コップの水を2~3回に分けて口に含みよくすすぎます。
歯磨き剤を使う歯の磨き方
液体歯磨き(デンタルリンス)洗口液(マウスウオッシュ)があれば最初に少し口に含んでお口全体にいきわたらせるように20秒ほど、うがいします。
その後、磨きます。
災害時にはチューブタイプの練り歯磨きより液体歯磨きの方が役立ち適しています。
歯ブラシがない場合の歯の磨き方
お茶や水があればハンカチやティッシュを濡らし指に巻き付けて歯の汚れをぬぐうようにします。
入れ歯の清掃
入れ歯を何日も入れたままにしておくことはお口の中を不潔にし、ばい菌の温床となるために良くありません。
1日に1回外してお口の中とともに入れ歯をきれいに掃除します。
歯ブラシかティッシュの濡れたもので拭って水で洗います。
歯ブラシなどの口腔ケア用品も防災グッズに入れましょう。
非常用持ちだし袋の中に入れておくと役に立つ口腔ケア用品
非常用持ち出し袋の中に家族分の歯ブラシ、デンタルフロス(糸ようじのパック)液体歯磨き、100%キシリトールガム、ウエットティッシュ、入れ歯ケース、入れ歯洗浄剤、マスクを入れましょう。
保存性のきくものですのであまり入れ替えの心配もしなくても済みます
特にデンタルフロスは災害時にも大いに効果を発揮します。
使い慣れている人はフロスだけでも十分なオーラルセルフケアができると考えます。
疾患、病気はお口から細菌が入って感染していくものが多いので、人が集まる避難所では各自がお口の健康管理することが必要です