常滑の歯医者 久野歯科医院です
皆様に役に立つ歯科の情報をわかりやすくお知らせします
オーラルセルフケアについて・その3
ブラッシングはむし歯や歯周病の予防だけではありません。
ブラッシングの役割にはむし歯や歯周病の予防に他に
・風邪をひきにくいなど全身的な疾患の予防効果を高める
・お口の中に適度な刺激を与え、お口の中の感覚を整える
・味覚が鈍くなるのを防ぐ
・唾液腺に刺激を与え唾液の分泌を促進して自浄作用を高める
・ブラッシングの動作でリハビリテーションの効果が期待できる
・食欲の亢進が期待できる
などがあります
「ブラッシングがお口の中の健康、体の健康にとても重要な役割を果たしていることはよくわかりました」
それでは
歯磨き剤は何がいい?
「ブラッシングに使う歯磨き剤は何がいいの?」という質問が患者様からあります。
目的にあった歯磨き剤を使用することも大切だと思います。
ポイント1 発泡剤を含まない
泡立つ歯磨き剤はお口の中が泡で、いっぱいになってしまい1度うがいをすると爽快感から、磨いたつもりになって、正しいブラッシングができなくなってしまいがちです。
発泡剤として含まれるラウリル硫酸ナトリウムは口腔粘膜を保護する唾液成分の「ムチン」を破壊してドライマウスを助長するといわれています。
ドライマウスの患者様には発泡剤の入っている歯磨き剤を使用しない方がよさそうです。
ポイント2 研磨剤を含まない
研磨剤の入っている歯磨き剤は着色した汚れを落とすのに効果がありますが使用しすぎると歯の表面を傷つけてしまいます。
毎日使用する歯磨き剤は研磨剤を含んでいないものを使用したほうが良いと思います。
ポイント3 個人の目的にあったもの
歯磨き剤はとても多くの種類のものがドラッグストアには並んでいます。
むし歯予防のもの、歯周病予防のもの、知覚過敏に効果のあるもの、歯を白くするものなど、その特性をうたっていて、配合薬剤で特色を出しています。
ポイント4 フッ化物の入った歯磨き剤
間違いなく効果のある配合薬剤はフッ化ナトリウムに代表されるフッ化物の入った歯磨き剤で、歯質を強化してむし歯の予防に役立ちます。
最近、高濃度のフッ化物配合(1500ppmを上限とする)歯磨き剤が売り出されています。
ポイント5 磨き方の工夫
磨き方にも工夫が必要です。
・歯ブラシは最初に水にぬらさず歯を磨きます。
水で効果が薄まったり、泡立ちによるブラッシングがおろそかになります。
・すすぐ水の量を15mlとして1回すすぐのみとすること。
・歯磨き後2時間ほど飲んだり食べたりうがいをしないこと。
この磨き方ができれば、知覚過敏に効果のあるといわれている歯磨き剤も役に立つのではないかと推測できます
「では商品としては何がいいのか?」という声が聞こえてきそうですが、発泡剤、研磨剤の入っていないもので殺菌効果と歯質の強化の効果のあるものとして「コンクールジェルコートF」ドラッグストアで手に入りやすいものは高濃度のフッ化物配合の「チェックアップ」「クリニカ」知覚過敏では「シュミテクト」でしょうか?
歯の着色を落とす歯磨き剤は1週間に1回程度のとどめましょう。
歯周病の予防、改善に効果のある歯磨き剤
歯周病の予防、改善に効果のある歯磨き剤は残念ながら少ないと思います。
その理由は歯周病の原因がプラークにあり、プラークのバイオフィルムは薬剤では取れないからです。
バイオフィルムは強い粘着性があり機械的にとるしか方法がありません。
常滑の歯科、矯正歯科の久野歯科医院では歯周内科の一環として「ペリオバスター」を使用してもらっています。
「ペリオバスター」は歯周病に関係している真菌を減少させるために選択的に使用されます。
歯周内科の維持療法としても使用しており効果があります。
当院ではよい結果が得られています。
歯が磨けていることが大切です
歯磨き剤に多く含まれる香料や発泡剤のすっきりとした感覚で磨いたつもりになってしまってブラッシングの時間が短くなったり、プラークが取り切れていないなど正しいブラッシングができていないときがあります。
しかし歯磨き剤には殺菌や歯質の強化などブラッシングのみでは得られない効果もあります。
歯磨き剤はブラッシングの補助的なものと考えていただくと良いと思います。