常滑の歯科、矯正歯科治療の久野歯科医院です
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正中離開の治療・その10
正中離開の原因に正中過剰歯の存在がありますが、歯の萌出や歯の生え変わりの様々な障害に正中過剰歯は関係しています
正中過剰歯は上顎に埋まっている場合も多くありレントゲン写真による診査が必要です
患者様の概要
患者様は小学4年の男児です
上顎左側の前歯が生えてこない
右側が生えているのに左側が生えるのが遅すぎるとお母様と来院されました。
左側部に過剰歯があり、それが原因で上顎の左側の中切歯が生えてこないことは明らかでした。
過剰歯が生理的な正常な永久歯の萌出の障害となっています。
処置方針と治療経過
過剰歯を抜歯して左側の中切歯が生えてくるのを確認しながら再度口腔内の写真の撮影、正貌・側貌の写真の撮影、模型の採得を行いました。
診断を行い、乳犬歯から乳犬歯までの横幅(犬歯間幅径)が狭いのでファンタイプという拡大ねじの付いた唇側に前歯をそろえる比較的太いワイヤー(ラビアルボー)の付いた拡大床という取り外しのできる床型の矯正装置を装着してもらい、矯正歯科治療を開始しました。
中切歯の横幅が大きく、それに加えて大きな犬歯が生えてきますから側方歯の乳臼歯から小臼歯に生え変わる時期や生え変わる順序には注意が必要です。
拡大床の拡大と中切歯に横幅をエナメル質の範囲で減らして乳臼歯から小臼歯への生え変わりを円滑にするために乳臼歯の横の面を削って(ディスキング)調整しながら矯正歯科治療を継続していきます。
治療後
乳歯と永久歯の混ざった混合歯列より永久歯列になったところで再度診断を行い、患者様とお母様に治療経過と治療内容の報告と今後の処置方針をお伝えして相談の後、今後は本格矯正には移行せず定期健診に移ることになりました。
治療期間5年(混合歯列期より永久歯列の完成まで)
治療費用20万円