近隣からも多くの患者さまが来院してくださいます 久野歯科医院です
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ドライマウスとは
ドライマウスは以前から口腔乾燥症と言われていて日本での罹患数は約800万人といわれています。
男女比は1:3と女性に多い疾患です。女性は男性に比べて唾液腺が小さく唾液の分泌量が少ないことや女性ホルモンが影響していると思われます。
ドライマウスのサインにはお口の乾燥感以外に・水をよく飲む・お口の中がねばねばする・乾いた食べ物が(クラッカーなど)食べにくい・口臭がある・舌がひりひりして痛い・入れ歯がこすれて痛いなどがあります。
お口の中が乾燥状態になり、その結果むし歯や歯周病、全身的な疾患、食中毒になりやすかったり、消化吸収にも悪影響が出たりします。
ドライマウスの原因
唾液の分泌機能の低下により起こります
唾液腺細胞の数の減少や機能の低下
シェーグレン症候群
シェーグレン症候群はドライマウスの大きな原因のひとつです。
シェーグレン症候群は自己免疫疾患、膠原病の一つで本態性のものと、症候性のもに分けられるのですが、リウマチに代表される膠原病・自己免疫疾患には必ずといっていいほど外分泌組織(涙腺、唾液腺)を冒すシェーグレン症候群をともないます。
頭頚部の放射線治療
お口の中やのどの奥のがんの治療で放射線治療が行われた場合に耳下腺などの大唾液腺が含まれると唾液の分泌が低下します。
頭頚部の外傷や手術による唾液の分泌に関係する神経の損傷
唾液の分泌に関係している顔面神経,舌咽神経、交感神経、副交感神経が損傷した場合に唾液の分泌に影響が出ます。
かみ合わせの異常や咀嚼する力の低下
かみ合わせの異常や咀嚼する力の低下は唾液腺への刺激を低下させて唾液の分泌を減少させます。
唾液の分泌は食物を良く咬んで咀嚼することにより促進されます。
使っていないと他の部位と同様に萎縮が起こり唾液の分泌が減少します。
加齢による唾液腺の変性
高齢になるにしたがって唾液腺組織が脂肪組織や結合組織に変性していくと唾液の分泌は減少します。
神経伝達系の障害
薬の副作用
お薬を多くの種類、多くの量を内服しているとその副作用でドライマウス傾向になることを高齢者の方は知りません。
精神科で用いられる薬、解熱鎮痛剤(痛み止め)、咳、痰、鼻水、胃酸の分泌を抑制する薬にも口の渇く副作用のあるお薬は多数あります。
血圧のコントロールのためのCa拮抗剤は副作用に歯肉の増殖があり、ドライマウスがありますと歯周病を悪化させる要因に働きます。
精神疾患やストレス、更年期障害
精神疾患やストレス、更年期障害は自律神経やホルモンバランスに関わる疾患で、唾液の分泌の低下との関連が考えられています。
体液量の減少
脱水
発熱、下痢・嘔吐、多汗症などの脱水症で唾液の分泌が抑制されます
糖尿病
糖尿病の症状の一つには口が渇く(口渇)症状があります
高血圧症
高血圧の降圧剤のカルシウム拮抗剤や利尿剤は体液量の減少を引き起こします。
そのために口が渇きやすくなります。(口渇)
尿崩症
尿崩症は抗利尿ホルモンの作用が低下して多尿が起こる疾患です。その結果脱水が生じて唾液の分泌が低下します。
慢性腎不全
慢性腎不全では腎機能が低下して全身性の浮腫や高血圧症を合併します。
治療には人工透析が行なわれますが、ナトリウム、水が除去されるため唾液の分泌量が減少します。
高血圧症を合併していると高血圧症の治療薬の副作用のためさらに減少傾向が強くなります。
口呼吸
口呼吸により直接、外の空気を吸い込むと、湿度が低い場合にはお口の中の粘膜の唾液は蒸発して乾燥してしまいます。
夜間・就寝時には生理的に唾液の分泌が減少しているので就寝時にさらに口呼吸がある場合「のどの乾き」や「口のこわばり」「口の中の痛み」を訴える場合があります。