患者様にご負担の少ない歯科治療に努めています 久野歯科医院です
皆様に役に立つ歯科の情報をわかりやすくお知らせします
健康寿命をのばす高齢者に必要な歯科治療
常滑の歯科、矯正歯科の久野歯科医院には高齢者の患者様も多く来院していただいております。
高齢者の患者様のお口の健康に関するお話の中には「もう年だから」とか「老い先短いのに歯の治療に費用をかけられない」とおっしゃる方がいらっしゃいます。
また80歳で20歯以上ある方のなかにはホワイトニングを希望したり、70歳後半の方でも審美歯科治療を望まれる方もございます。お口の健康に対する意識や受け止め方は人それぞれでちがいます。
見過ごせない口腔機能の低下
口腔機能の低下を放置すると
しかしお口の中の健康を害し、口腔機能の低下が起きた場合にそれを放置しますと栄養をとる量が低下して栄養が不十分となり代謝の量が減少してたんぱく質の栄養不足、低アルブミン血症を引き起こします。
栄養の不足は骨量、筋肉量を減少させ、基礎代謝量の低下からロコモティブシンドロームとなり施設への入居となってしまいます。
歯科治療による口腔機能の改善をすると
一方、お口のケアに心がけ、歯と歯ぐきの治療、入れ歯の装着などでお口の中のリハビリテーションを行なうと栄養を摂る量が回復し、栄養が十分となりアルブミン値が改善され骨量と筋肉量が維持・改善されます。
健康寿命が伸び高いQOLを獲得することができます。
高齢者には十分なたんぱく質が必要
高齢者に必要な1日のたんぱく質の量は体重50kgの人で50gです。
これは卵1個、魚1切れ70g、肉1切れ70g、大豆・豆類60g、乳製品200gにあたります。
毎日50gのたんぱく質をとるためには十分な咀嚼の力が必要と考えられます。
口腔ケアが誤嚥性肺炎の予防に効果的であることが報告され、口腔ケアは病院や介護施設の口腔衛生管理として定着して、周術期の口腔衛生管理にも広がりつつあります。
口腔機能の向上と歯科治療
口腔衛生管理だけでなく口腔機能の向上のために歯科の治療、とりわけ入れ歯の治療はとても大切であると考えています。
・歯のない高齢者の場合入れ歯を使って食べている人のほうが入れ歯を使っていない人に比べて生存率が高い。
・年に2回以上転倒している認知症高齢者を調べると歯がなく、入れ歯も使っていない人が圧倒的に多い。
高齢者の寝たきりの原因の12%が転倒です
・自分の歯がほとんどなく入れ歯を使っていない人は入れ歯を使っている人に比べて認知症になりやすい。
入れ歯を使用している人は自分の歯で食べている人に比べて認知症の発症の割合がそれほど大きく違わない
・入れ歯をつくって入れ歯を使って適切な食事指導を受けた人は入れ歯をつくったが入れ歯を使用していないにくらべると体重が増加し栄養状態が改善した
などの報告があり、入れ歯の治療をすることで低栄養が改善され、転倒の予防、摂食嚥下機能の維持、改善に役立ち、歯科の治療は、最近注目され始めたフレイルの予防に重要な役割りを果たしていると思われます。
最近では健康についての情報が多く発信され、平均寿命の延長より健康寿命をいかに伸ばすかが課題となっています。
お口の中の健康は健康寿命の延長の大切な要因になると考えています。