常滑市の頼れる歯医者 久野歯科医院です
皆様に役に立つ歯科の情報をわかりやすくお知らせします
毎日歯科診療に携わっておりますとむし歯や歯周病でないお口の中の疾患や歯科に関連した疾患で患者様が来院されることもしばしばです。
むし歯や歯周病でないお口の中の疾患や歯科に関連した疾患についてお知らせします
急性上顎洞炎とは
顔面には副鼻腔とよばれる空洞があります。副鼻腔は4つあり、それぞれの部位で前頭洞、し骨洞、蝶形骨洞、上顎洞と呼ばれています。
風邪などをひいて副鼻腔に炎症が起こると粘膜から多くの粘液が分泌されその粘液が鼻水となって鼻やのどに流れ落ちてきます。
炎症がひどくなると粘膜にむくみや腫れが起こって鼻と交通している部分がふさがり、分泌液が副鼻腔の中にたまります。
この状態になると鼻ズマリに始まり、頭痛、顔面痛などの症状があらわれてきます。
上顎洞は左右の頬の部分にある一番おおきな副鼻腔でそこに急性の炎症がおきる場合を急性上顎洞炎と呼んでいます。
急性上顎洞炎の症状
歯医者に訪れる場合には上顎洞と一番近い位置にある上顎第2小臼歯、第1大臼歯、第2大臼歯の痛みとなって現れます。
通常、痛みを発している歯を特定する場合には歯をひとつ、ひとつ、たたいて(打診)判断することも多いのですが、急性上顎洞炎でも打診痛があり、歯の神経の痛みに非常によく似た症状を患者様は訴えます。
診断について
歯周病やむし歯で歯の根に慢性炎症の病巣が原因で上顎洞炎を起こす場合もあり(歯性上顎洞炎)、見極めが大切になってきます。
判断を誤ると歯の神経(歯髄)取り除いてしまいかねません。
歯医者で注意しなければならないのは
・片方だけの鼻ズマリはないか
・痛みのあるほうの頬の辺りを圧して痛みがあるか
・眼の下の部位に腫れがあるか
・頭を下げて頬の痛みが強くなるかどうか
などを診て見極めることが必要です。
画像診断
確定的な診断はレントゲン、CT, MRIなどの画像診断でおこなわれます。
上は16歳女性の急性上顎洞炎の患者様のレントゲン写真です。
口内法のレントゲン写真(デンタル)では奥歯の間に、軽いむし歯の治療の後がありますがそれが原因であるとは思われません。
歯にひびが入っていないことを確認しました。
上顎左側第1大臼歯に自発痛があり、打診痛もあります。
この時点で歯医者は安易に歯を削ったり、神経を取るような処置を慎まなければなりません
パノラマ写真により上顎左側上顎洞の部分が白くなっているのがわかります
治療について
診断ができれば、対応が可能になります
治療については、抗菌薬や消炎鎮痛剤で治療します。
必要があれば耳鼻科への受診紹介をいたします。通常は3~7日で症状はなくなっていきます。