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常滑の矯正歯科 久野歯科医院 ≫ 院長Blog ≫ 【矯正歯科症例 部分矯正】残っている歯の根を生かす方法、エクストルージョン(挺出)その1

【矯正歯科症例 部分矯正】残っている歯の根を生かす方法、エクストルージョン(挺出)その1

矯正歯科治療にも力をいれている常滑の歯医者  久野歯科医院です
 
皆様に役に立つ矯正歯科の情報をわかりやすくお知らせします
 

エクストルージョン、矯正治療による挺出について(その1)

患者様の概要
患者様は大野町在住のg.m様 68才女性の方です
 
以前に治療してあった上顎の左側のブリッジタイプの修復物の犬歯がはずれ、しばらく放置されていたようです。
 
下の写真はブリッジの犬歯の部位の状態です
 
エクスト10の1.jpg
 
エクスト9の1.jpg
 
現在の状態はむし歯のが進行して、歯肉が盛り上がり、歯の根の部分が埋まっていて外からは見えません。
 
上顎の犬歯は歯の根の長さが長く、食物を咬み切るにはとても大切な歯の一つです。
 
犬歯は第1大臼歯とともに咬合の鍵といわれている重要な歯です。
 
通常であれば、抜歯の可能性が高いのですが、犬歯を抜歯した後、治療範囲が拡大して周辺の歯に与える影響が大きくなってしまいます。簡単に抜歯と判断せず、歯を残すことを検討しなければなりません
 
そこで処置方針を検討しました。
 
処置方針の検討
 
1.抜歯して取り外しのないブリッジタイプで修復する
 
ブリッジタイプの修復をするためには抜歯した犬歯の役割りを他の歯に分担をさせるため、犬歯の隣り合っている歯の再治療を必要とします。
犬歯の隣り合っている歯に大きな負担が生じ、負担を軽くするためには歯冠修復の範囲が大きくなってしまいます。
 
2.抜歯して取り外しのできる部分入れ歯を装着する
 
隣り合っている歯の再治療は行なわないので治療時間、治療期間は短く治療費用も少なくて済みます。
 
しかし審美的に劣ること。食物が部分入れ歯のなかに入って掃除などがわずらわしいこと。などの短所があり、1歯の小型の部分入れ歯は、はずれやすく、はずれたことの気がつかなければ簡単に飲み込んでしまう危険性もあります。
 
3.矯正歯科治療で歯を引っ張り出して(エクストルージョン)犬歯を再修復する。
 
抜歯をしないで矯正歯科治療の手法を使用して犬歯を引っ張り出して犬歯を救います。
 
弱い力で歯を引っ張り出すので時間がかかります。
 
歯を長い時間をかけて引っ張ることにより歯の周りの骨や抵抗性のある硬い歯肉も獲得することができますが、小さい範囲の外科手術が必要となります。
 
4.抜歯してインプラント治療をおこなう
 
インプラント手術が必要となります。
 
抜歯して周辺の骨の吸収しないうちに抜歯の治癒を利用して抜歯後すぐにインプラント手術を行なうか(抜歯即時)、抜歯した後に治癒を待ってからインプラント手術を行なうか(抜歯待時)選択、判断が必要になります。
 
抜歯した後を待ってからのインプラント手術には骨や歯ぐきの環境を整える手術も必要になってきます。
 
前歯部のインプラントは審美的にも歯科医師の高い技術が要求されます。保険外診療となりますので治療費が高額となります
 
5.インプラント治療の前処置としてエクストルージョンを行い、骨や抵抗性にある歯ぐきを十分獲得した上で抜歯した直後にインプラント手術を行い修復する
 
 4の処置方針に加えてインプラント手術の環境、条件を整えるためにインプラントの前処置としてエクストルージョンを行います。
 
治療期間の延長と治療費用が高額となります。
 
 
処置方針の決定
 
常滑の歯科、矯正歯科の久野歯科医院ではインプラント治療のページでお知らせしているようにインプラント治療は最初に選ぶ治療法でない場合がおおいです。
 
g.t様に処置方針の検討、治療計画の候補をお話して3.の矯正歯科治療の方法を利用するエクストルージョン(矯正的挺出)をおこなって歯の根を引っ張り出してブリッジの歯冠の修復を行なうことにいたしました。
 
合わせて歯周病の基本検査を行ったところ歯肉の腫れもありましたのでエクストルージョンの治療と並行して歯周病の基本治療を行なうことも患者様に説明いたしました。
 

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