常滑市の頼れる歯医者 久野歯科医院です
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最近、毎日の歯科診療から気になった疾患について(その1)
顔面神経麻痺について
脳神経に起因する麻痺のうち、最も多いものでいろいろな原因で発症します。
顔面神経というのは大部分が運動神経からなっていて何らかの原因によりこの運動神経に障害がおきると顔の片側の運動麻痺が起きて表情が左右非対称になります。
顔面神経の麻痺には障害や損傷の起きる部位により中枢性の顔面神経麻痺と末梢性の顔面神経麻痺に分けられます。
中枢性顔面神経麻痺とは
中枢性の顔面神経麻痺の原因は血行障害(脳梗塞)、腫瘍(脳腫瘍)、炎症(脳炎)などがあり、脳の橋という部位にある顔面神経核から上方の顔面神経の経路が損傷するとおこります。
中枢性の顔面神経麻痺では額に皺を寄せることができ、目を閉じることも可能です。
末梢性顔面神経麻痺とは
末梢性の顔面神経麻痺の原因は橋の運動神経核から出て、側頭骨の中の顔面神経管を通り、顔面に分布する途中で障害を受けた結果、発現します。
末梢性の顔面神経麻痺では額に皺を寄せることができず、目を閉じることもできず、味覚障害や涙や唾液の分泌が低下などが現れます。
末梢性の顔面神経麻痺はBell麻痺とも呼ばれ歯科医院にも患者様が来院される可能性があります。
末梢性の顔面神経麻痺の原因は不明の場合も多いのですがストレスや単純性ヘルペスウイルスⅠ型や帯状疱疹ウイルスなどの感染によって起こることも多く、また中枢性の顔面神経麻痺との鑑別などから画像診断、ウイルス感染の可能性などから血液検査を行って原因の究明に努めて、発症からなるべく早く治療を開始することが重要です。
治療を早期に開始するためには歯科医の早めの判断も大切です。
治療には抗ウィルス薬、ステロイドなどを使用したり、ビタミンB12などを投与します。
大部分の末梢性の顔面神経麻痺は適切な治療で軽快し治ります。