常滑市で112年の歴史のある歯医者 久野歯科医院です
皆様に役に立つ歯科の歯科の情報をわかりやすくお知らせします
最近、毎日の診療から気になった疾患について(その5)
薬物性歯肉増殖症とは
いつも飲まれているお薬の副作用によって引き起こされる歯肉の腫れは薬物性歯肉増殖症といわれています。
痙攣をおさえる抗痙攣性薬、血圧をさげるカルシウム拮抗剤、免疫抑制剤などがありますが、そのほかにも副作用に歯肉を増殖させる疑いのあるお薬は非常に多くあるようです。
薬物性歯肉増殖症の発症率は抗痙攣薬で50%、血圧を下げるカルシウム拮抗剤は6~15%、免疫抑制剤のシクロスポリンAでは成人で25~30%小児では70%を超えるとされています。
1番身近なお薬は血圧をさげるカルシウム拮抗剤で中高年から高齢者の血圧のコントロールによく使用されています。
症状について
薬物性歯肉増殖症は歯と歯の間の歯間乳頭部の腫れから始まり、周りの歯肉が肥大して広がっていきます。
歯肉の増殖は線維性で比較的硬く、重症の場合には歯を隠してしまうほどのこともあります。
歯周疾患に罹っていたり、プラークなどの炎症性の因子がすでにある場合は炎症性の歯肉の腫れが認められることもおおくあります。
治療について
薬物性歯肉増殖症の改善には炎症の元となる細菌性の因子を取り除くことが大切です。
治療はかかりつけのお医者様に現在使用されているお薬の種類可能であれば、他の種類に変更していただく。
お薬が変更できたら通常の歯周病の基本治療を行ないます。
またお薬の変更ができない場合でもプラークコントロールと歯周病の基本治療を中心とした処置により改善を期待します。
歯周病は多様な因子により改善されたり、悪化,再発を繰り返します。
薬物性歯肉増殖症も同様です。