常滑の歯医者 久野歯科医院です
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第3の歯科疾患ツースウエア(その1)
ツースウエアとは
歯を失う大きな原因はむし歯と歯周病です。
現在では、むし歯と歯周病は予防と治療法の普及により歯を80歳で20歯残っている人の割合を50%になりました。
歯の寿命はのびていて歯に関しては人は若返っています。
歯が長持ちするようになってむし歯ではなく、咬耗や摩耗によって歯が長い時間かけて徐々になくなってくるツースウエアによる歯質の崩壊が問題になってきました。
ツースウエアは第3の歯科疾患とも呼ばれています。
ツースウエアは食物を咀嚼することの障害となるだけではなく、審美性の低下や象牙質知覚過敏症などの不快症状をひきおこす可能性があり、予防と治療が必要になってきます。
ツースウエアは咬耗、酸蝕、摩耗、アブフラクションによる歯の実質欠損の総称とされていて、実際はこれらの因子が複合的に作用して実質欠損がけいせいされます。
ツースウエアの種類
1. 咬耗
歯と歯の接触によって生じるツースウエアでは日常的に徐々に進行していきます。
本来咀嚼時に歯が接触している時間はとても短く、食事以外の歯の接触であるブラキシズムが咬耗を進行させる主な原因と考えられています。
象牙質が露出すると歯質のなくなるのが早くなり陥没が形成されやすくなります。
周囲のエナメル質は細かく破折を繰り返して歯質がなくなっていきます。
顎関節症との関係が注目されているTCHのような悪習癖もツースウエアの原因として考えられています。
2.酸蝕
ツースウエアの原因のひとつで飲食物の酸性度と胃酸が問題になります。
歯のエナメル質が溶け始めるphは5.5、象牙質は5.8程度です。
多くの飲食物はエナメル質の解け始めるphより低く日常的に歯が脱灰される環境にあります。
炭酸飲料はph3.5ビールはph4.0グレープフルーツはph3.0レモンはph2.0で、胃酸はph1.0~2.0と飲食物より低く、胃・食道からの逆流が酸蝕の大きな原因となっています
3. 摩耗
歯ぐきの近くの歯の部位である歯頚部の欠損としてみられます。
歯ブラシの横磨きが関係していると思われます。
加齢によって歯ぐきが下がって歯根部の象牙質が露出してくるとプラークが付着しやすくなり象牙質が脱灰されやすくなります。
脱灰によってやわらかくなった歯質は簡単に歯みがきにより摩耗して歯質を失います。
4. アブフラクション
歯頚部の欠損でも歯冠側のエナメル質が残りv字形に鋭く欠損している場合には、いままで「楔状欠損」といわれています。
咬合が大きく関与していて歯頚部に咬合による応力が集中することにより歯質の欠損をまねきます。