多くの患者様に来院いただいております 久野歯科医院です
皆様に役に立つ歯科の情報をわかりやすくお知らせします
毎日歯科診療に携わっておりますと、むし歯や歯周病でないお口の中の疾患や歯科に関連した疾患で患者様が来院されることも、しばしばです。
むし歯や歯周病でないお口の中の疾患や歯科に関連した疾患についてお知らせします
突発性歯痛(非定型性歯痛)について
突発性歯痛(非定型性歯痛)とは
歯または抜歯した後の部位に生じる痛みで部位・原因が特定できない原因が不明のものを突発性歯痛(非定型性歯痛)と言います
歯が原因で起こる痛みの多くは、痛み方に変動があって、時間の経過と共に良くなったり悪くなったりします。
しかし突発性歯痛(非定型性歯痛)では起きている間中、持続的な痛みがあり、じんじん・じわじわと表現されることの多い痛みが特徴です。
歯科でよく使用する痛み止めは効き目がありません。
お口の中への食物や温度差のある飲み物などの刺激物が入ることで、痛みが出ることが多いのですが突発性歯痛(非定型性歯痛)の場合は食事の時には痛みが軽くなったり、消えてしまうこともあり、寝ているときには痛みを感じないことも特徴です。
痛みは特定の部位に限られている場合から数本の歯に痛みを感じたり片顎の広い範囲に広がりのある場合まで様々です。
多くは女性(9割)で7割の方が歯科の治療がきっかけとなって発症するようです。
三叉神経痛や顎関節症、舌痛症に比べてもまれな疾患ではありません。
突発性歯痛(非定型性歯痛)の痛みは、不快な刺激や心理状態などによって脳の中の痛みをコントロールするシステムの異常で起こる痛みであると考えられています。
下顎の比べ上顎に発症することが多く、小臼歯部から奥の大臼歯部が好発部位です。
治療について
治療はお薬を飲む薬物療法と認知行動療法ですが、使用するお薬は痛みに関係している脳の領域の興奮を抑制すると考えられている抗うつ薬を使用します。
抗うつ薬の中では三環系の抗うつ薬を使用します。
この抗うつ薬は帯状疱疹の後遺症で冒された神経支配領域に出る痛みにも使われています。
2016年には神経障害性の治療薬として歯科医師にも処方ができるようになりました。
脳の中で起こる痛みは痛みは痛みの特徴や経過から推定して診断することが必要です。
私たち歯科医は患者様のお話を十分伺って痛みの原因を見極めたうえでの適切な処置を行なうことが大切であると考えています。
安易な抜歯や神経を抜くことを慎まなければなりません