患者様にご負担の少ない歯科治療に努めています 久野歯科医院です
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歯周病の原因
歯周病とは歯と歯ぐきの境目に付着したプラーク(歯垢)のなかの歯周病菌という細菌により歯肉の発赤、腫れ、出血などが起きる病気です。
進行すると歯と歯肉の間に深い隙間(歯周ポケット)ができて、そのままにしておくと歯を支えている歯槽骨などの歯周組織が破壊されて結果的に歯を失う原因になります。
35歳以上で8割の人がかかっているとされる無視のできない国民病です。
歯周病は8020財団が2018年の行なった「第2回永久歯の抜歯原因調査」によると、抜歯の主原因で最も多かったのは歯周病で37.1%で歯を失う原因は歯周病がトップです。
歯周病は静かに進行する
「健康な歯」とは引き締まった歯肉と歯槽骨などの歯周組織が歯をしっかりと支えています。
歯周病は痛みもなく静かに進行して歯を支える歯槽骨を溶かし歯肉が下がり歯がぐらついていきます。
歯周病は全身に悪影響を及ぼす
歯周病は歯の周りの病と、いいながら全身に悪影響を及ぼす病です。
歯周病が悪影響を及ぼす疾患の代表的なものには
・糖尿病
・心臓疾患
・誤嚥性肺炎
・脳血管疾患
・骨そそう症
・早産・低体重児出産、
・メタボリックシンドローム
などが代表的なもので他にも
・リウマチ(膠原病)
・がん
・認知症
にも関係が深いといわれています。
歯周病が脅かすのは歯や歯肉だけではなく、あなたの全身の健康なのです。
歯周病の引き金となる生活習慣
また様々な生活習慣が歯周病を引き起こしたり、悪化させたりします。
喫煙:煙草に含まれる有害物質が歯周組織の破壊を促進します。
食習慣:栄養バランスの偏った食事は歯周組織に悪影響を及ぼします。
糖分の高い食物はプラークの栄養源になります。
歯ぎしり・食いしばり:歯ぎしりや食いしばりは歯や歯周組織の大きな力をかけて歯周病を急速に進行させます。
口呼吸:口呼吸の癖があると口の中が乾燥してプラークがたまりやすくなり、唾液による自浄作用がなくなり細菌の活動性が高まります。
肥満・メタボリックシンドローム:肥満やメタボリックシンドロームの人は歯周病になりやすいデータがあります。
ストレス:精神の緊張状態は唾液の分泌を抑制したり体の抵抗力を弱めて歯周病を悪化させると考えられています。
歯周病の治療
歯周病の治療には大きく分けて歯周基本治療と歯周外科治療の二つがあります。
歯周病の基本治療
歯周病の治療は原因となるプラークとプラークが硬く石灰化した歯石を取り除くことが大切です。
これをプラークコントロールといいます。
プラークコントロールが歯周病治療の基本です。
さらにプラークコントロールは、自分で行なうプラークコントロールのセルフケアと歯科医院で行なうプラークコントロールのプロフェショナルケアで成り立っています。
自分で行なうプラークコントロールのセルフケアはブラッシング(歯磨き)を中心にデンタルフロスを使用したり歯間ブラシを使用して歯と歯の間もプラークを除去します。
歯科医院で行なうプラークコントロールのプロフェショナルケアには
スケーリング:セルフケアではとり切れなかったプラークやブラッシングではなかなか取れない歯石を取り除きます。
ルートプレーニング:歯周ポケット内に器具をいれて、歯石や汚染された歯質を取り除き歯の根の部分の表面をきれいにします歯の表面がなめらかになるとプラークがたまりにくい状態となります。
歯周病の外科手術
基本治療だけでは治らない進行した歯周病の場合には外科手術を行うことがあります。
歯肉を切開して歯の根の表面や歯槽骨の欠損状態を直接確認しながら摂りきれなかったプラーク谷歯石を取り除いたり歯槽骨の形を整えたりしてプラークコントロールのしやすい歯肉の状態にします。
歯肉や歯槽骨が破壊されていても現在では再生療法が歯科の領域でも行なうことが可能となってきました。
外科手術時に特殊な膜を使用したり歯周組織の再生治療薬を応用したりして、歯周組織の再生を促すことで進行した歯周病でも歯を抜かずに治療できる可能性があります。
しかしとても大切なことは自分で行なうプラークコントロールのセルフケアができていて歯周基本治療がしっかりとされていることが歯周外科・再生療法を成功に導くことにつながります。
基本治療ができていないと歯周外科・再生療法うまくいきません。
歯周病の予防ために日々心掛ける事
歯周病から歯を守るために歯周病の予防や歯周病の再発防止には日々の積極的なケアが必要です。
1.歯垢(プラーク)をためないようにしましょう
できるだけ毎食後、特に就寝前には丁寧にブラッシングをしてプラークを口の中にためないようにしましょう
2.体を手入れし健康を保ちましょう
よくない生活習慣があれば、見直して歯周病の発症や悪化をさせないようにしましょう
3.歯や体のことを考えましょう
歯や体のことに気を使い、その変化に気をくばりましょう。何か気になることがあれば早めに歯医者に受診しましょう
4.歯医者で定期健診を受けましょう
自覚症状がなくても定期的に歯医者で検診を受け、プラークコントロールのプロフェショナルケアをうけましょう。
歯医者による確実なチェックと適切なプラークコントロールが歯周病を予防します