常滑で112年の歴史のある歯医者 久野歯科医院です
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原因不明な痛み、疼痛性障害
疼痛性障害は身体表現性障害の一つです
身体表現性障害とは
身体表現性障害とは体には原因がみつからないにもかかわらず耐え難い痛みや違和感などの症状のみを訴える精神疾患のことをいいます。
かつては自律神経失調症、神経症、慢性~、心因性~、神経性~などと呼ばれていた疾患の多くが身体表現性障害だと考えられています。
身体表現性障害の原因
原因不明の痛みや違和感は感覚をコントロールしたり認知したりする脳の神経系の変調によって起こると考えられています。
長期間の悩み、過労、睡眠不足、などのストレスがきっかけに起こる場合も多いようです。
何か強いショックを受け、それが引き金となり急激に起こる場合もあります。
ストレスはその出来事や事柄をストレスと感じる人もいれば感じない人もいて性格や遺伝的要素も関係しているといわれていてそれらが複雑に絡み合って発病すると思われます。
身体表現性障害の分類
症状の特徴によって身体表現性障害は7つほどに分類されます。
歯科に関係するものには
・原因不明の痛みを特徴とするものー疼痛性障害
・体の数箇所の痛み、胃腸の不調、婦人科的問題―身体化障害
・何か悪い病気にかかっているのではないかと思い込み検査を繰り返すー心気症
・運動神経の麻痺や感覚機能の障害の症状に悩まされるが異常がみられないー転換性障害
などがあります。
疼痛性障害とは
疼痛性障害は当院のコラムでお知らせした歯が原因でない非定型的な痛みです。
検査では全く異常がないにもかかわらず、体のどこかに治療が必要なほどの痛みがあり、仕事や日常生活にも支障をきたしています。
痛みに代表される症状は実際に脳の中で感じている感覚で気のせいではありません。
痛み止めは効かず痛みは持続的で眠る事もままならない場合もあります。
疼痛性障害の治療
治療には3環系の抗うつ薬がよくききます。
3環系の抗うつ薬は帯状疱疹の後遺症の神経痛にも使用されます。
即効性はないので続けて使用することが大切です。
4環系の抗うつ薬には副作用として眠気がありそれを利用して眠剤としても使用します。
疼痛性障害の痛みの原因は身体的な原因がないのですが、患者様は身体的に何か原因があるのではないかと歯科医院を訪れています。
患者様のお話を良く聞き、検査結果などを見せて患者様への十分な説明で患者様ご自身に理解していただくことが治療の第1歩として大切だと思います。