多くの患者様にご来院いただいております 久野歯科医院です
皆様に役に立つ歯科の情報をわかりやすくお知らせします
Q 顎関節症と矯正歯科治療とは関係がありますか?
A 矯正歯科治療中に顎関節症になる可能性はないわけではありません。
顎関節部を構成する部分である関節円板のズレ(転位)や筋肉の症状が治療前にある場合は顎関節症になる可能性が高いと予想されます。
顎関節症は一般的には治りやすい疾患で筋肉痛や捻挫に近い疾患だと思っています。
まず顎の酷使をやめ、安静にして場合によってはリラクゼーションスプリントなどを使用して顎関節症を治してから矯正歯科治療をするとよいと思います。
関節部に変形の可能性のある場合にはCT,MRIなどで画像診断をします。
Q 年齢は59歳女性です。上の前歯の4本が差し歯ですが歯列矯正できますか?。
A 一般的なお話をさせていただければ、前歯4歯が差し歯でも矯正歯科治療は可能であると思います。
ブレース(ブラケット)という装置をしっかりと付けるためには金属の被せ物や、差し歯によく利用されていたセラミクスの焼き付けられた前歯の被せ物はプラスティックの硬質レジン歯に変えておく必要があることがあり、矯正歯科治療で歯の位置を適正な位置に移動してから差し歯の再治療になる場合が多いと思います。
年齢は基本的に成人では何歳でも矯正歯科治療は可能ですが、奥歯の欠損状態やむし歯の修復状態、歯周病の程度なども考慮しなければなりません。
また年齢の高い成人矯正では歯が骨にくっついてしまっている(骨性癒着)、歯の神経が悪くなっている(歯髄変性、歯髄壊死)、歯の根にひびが入っている(歯根破折)、歯の根が溶け始めている(歯根吸収)、歯の根が短いなどの矯正治療に障害を与える可能性のある現象や、副作用にも十分注意をしなければなりません
Q 小学生の男子です。かかりつけの歯医者に反対咬合だと言われました。
父親も前歯が出ています。何時ごろ矯正治療を開始したらよいでしょうか?
A 反対咬合には大きく分けて機能的反対咬合と骨格性反対咬合の2つのタイプがあると思います。
機能的反対咬合とは咬むのに前歯が邪魔をしていたり前歯の角度がわるく顎を前に出して咬んでいて受口になっている状態です
骨格性反対咬合とは生まれつき下顎が大きく骨格のバランスで受け口になっている状態です
機能的な反対咬合は比較的早く反対咬合を改善することができ永久歯列完成まで観察することが大切です。
骨格性の反対咬合は下顎の骨が大きく遺伝的な要素がふくまれています。
特に骨格性反対咬合は一旦反対咬合が改善されても12歳以降の顎の成長発育のためにふたたび反対咬合となってしまう場合がありコントロールが必要です。
また舌の位置もたいせつです。
舌が本来の位置より下にありますと矯正歯科治療の妨げとなり口呼吸などが誘発され、全身の健康にも影響が及びます。
いずれにしましても4本の前歯が永久歯に生え変わったぐらいのなるべく早い時期に歯医者に来院して診断を仰ぐようにしてください
Q 部分入れ歯をいれています。入れ歯は、はずして寝なければならないのですか。習慣で部分入れ歯を入れたまま寝ています。
A 基本的には夜寝る時には入れ歯をはずして休みます。
小型の部分入れ歯では寝ている時にはずれると飲み込んでしまうなど危険です。
寝ているときは唾液の分泌が少なくなり、お口のなかで細菌が繁殖しやすい環境となります。
入れ歯をはずさないで寝るとお口のなかの環境を悪化させる要因になる場合があります。
ただし歯の残っている部位によっては、入れ歯をいれたまま寝るように指導することもあります。
たとえば残っている歯の数が少なく、寝ている時に上下の歯に強く力が働く場合には部分入れ歯をはめたまま休んだほうかよい場合や、上の顎の歯には下の顎に対応する歯がなく、下の顎の歯には上の顎の対応する歯がないようなすれ違いの場合には顎の軟組織を傷つけてしまう可能性がある場合がそれにあたります。
入れ歯を入れたまま休む場合でもお口のなかをきれいに掃除して、さらに入れ歯もきれいにしっかりと掃除して休むことが大切だと思います。
Q 寝ているときに強い噛みしめがあります。朝起きるときに顎に違和感があり、左の顎関節がカキンとなることがよくありましたが、今朝は違和感があるのに音がならず不安になりました。放っておいてよいでしょうか?
A 音が鳴るのは顎関節を構成する部分の関節円盤が前方に転位することによっておこります。
音が鳴らないのは関節円盤の前方転位がさらに著明になって顎関節症が進行している可能性があります。
朝から時間が経過してお口が開けにくい、関節部の違和感などは軽減していきますか?
睡眠中の食いしばりを予防したほうが良いと思います
かかりつけの歯医者さんに相談して食いしばりに対しての対応策をご相談ください。
朝起きて、痛みを伴って、お口があかない状態(クローズドロック)になる可能性もあります。
その際には顎関節症に対応できる歯科口腔外科のある病院を紹介してもらうと良いと思います。
かかりつけの歯医者さんでも対応可能なところもありますが、顎関節症に精通している歯医者さんをおすすめします。
お口があくようであれば少し様子を見ながら睡眠中の食いしばりを予防したらよいでしょう。
食いしばりのようなブラキシズムは顎関節に悪影響を及ぼします
睡眠中の食いしばりに対してはナイトガードとよばれるマウスピースの装着や認知行動療法などが有効です。
かかりつけの歯医者さんで一度ご相談ください。
Q 3年ほど前、別の歯科(東京)でアソアライナーで歯列矯正していました。
保定のためのマウスピースをもらい終了としたのですが、そのマウスピースを全部使い切ってしまいました。(今は最後の1つを使用しています。)
後戻りしたくないので追加が欲しいのですが住まいが変わり以前の歯科に通うのが厳しい状況です。
可能であれば保定のマウスピースを作成していただきたいのですが、そういった対応もしていただけるのでしょうか。
A ご存知かと思いますがアソアライナーは数年前よりデジタルスキャナーを利用したデジタルセットアップによって作業用の模型を製作し、それをもとにアライナーをつくるようになりました。
そのため作業用模型の製作に今までより少し時間がかかり費用も割高になりました。
アソアライナーのリテーナーについての治療費用でございますがリテーナー2つ製作して20000円(2万円)となります。
今後3Dプリンターで製作された作業用模型を患者様ご自身か、治療を行った歯科医院内で保管しておけば、リテーナーを新たに作るときには作業用模型がありますので治療費用は低く抑えることができると思います。
現在、リテーナーのアソアライナーが1つある、とのことなので緊急性はないと思います。
型どりしましてから20日ほどでリテーナーをお渡しいたします。