院長が自ら行う歯科治療なら 常滑市の久野歯科医院です
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スライディングメカニクスとループメカニクスについて
歯を動かし、移動させる方法には大きく2つの仕組みが使われます
ブラケットと言う装置のスロットと言う溝にワイヤーが入れられブラケットやワイヤーに歯を動かす情報をいれて歯を移動させることになります。
歯を動かし移動させる仕組み・方法にはスライディングメカニクスとループメカニクスがあります
ループメカニクスとは
ループメカニクスとは、歯を動かしたい部分のワイヤーの一部分をいろいろな形のループ状に、屈曲してそのループを活性化させて歯を移動させていきます。
ループメカニクスの利点
・前歯を後方に移動させる(リトラクション)時にスライディングメカニクスよりもおおきいmomento to force ratioがえられること
・前歯のトルクのコントロールが比較的容易であること
・ループを活性化することによりリトラクション量が確実に把握できる
ループメカニクスの欠点
・チェーアーサイドでループをワイヤーに屈曲する場合は時間がかかる。
・そのため操作が煩雑になり、歯医者、患者様ともにストレスが増す
・ループの調整に不備があればループの部分が歯肉や唇など周辺の軟組織に当たり口内炎や傷ができて痛みや違和感が出やすい
・ル-プがあることでお口のなかに食べかすが付きやすく口腔衛生面にやや難がある
スライディングメカニクスとは
歯につけられたブラケットスロットのなかのワイヤーを滑らすように歯を移動させていく仕組みのものです。
基本的にストレートなワイヤーにフックなどを立てて、高品質のゴム(エラストメトリックチェーンなど)で歯を移動させていきます。
スライディングメカニクスの利点
・ループを屈曲することがないためループメカニクスに比較してチェアーサイドでの操作時間が少なくなり、歯医者のストレスが少なくなります。
・ループメカニクスに比べて患者様の違和感が少なく、ループがないため口腔衛生面で優れています
スライディングメカニクスの欠点
・ワイヤーと装置(ブラケット)のスロット(溝)やワイヤーをにつける材料である結さつ線、モジュール、セルフライゲーションに使用するキャップなどとの間に摩擦力が生じます。
・摩擦力は歯を滑らせて移動させる障害になります。
・ループメカニクスのように歯を移動させてる力を測りにくい
・食塊などのよりワイヤーが変形すれば摩擦力が大きくなります
スライディングメカニクスかループメカニクスのどちらかを使用するかは、それぞれの患者様のその時点での状態で選択しています。
抜歯症例で前歯を後方に大きく移動させる(アンテリアリトラクション)場合やトルクコントロールの行いやすさはループメカニクスが
適しています