多くの患者様が来院くださいます 常滑の歯医者 久野歯科医院です
皆様に役に立つ歯科の情報をわかりやすくお知らせします
難治性の顎関節症について
顎関節症は顎の関節やその周りの筋肉の痛み、口があけにくいなどの症状があります。
いろいろな原因が考えられますが、多くは顎の使いすぎによって起こります。
体格が人、ぞれぞれ違うように顎の形や大きさもちがいがあります。
顎の関節や筋肉が耐えられる限界を超えた場合に発症します。
顎関節症は他の体の部位の筋肉痛や他の関節の捻挫に近い疾患と考えれば一般的には予後の良い、治りやすい疾患です。
進行性の全身に悪影響を与える疾患ではありません。
しかしながら中には、色々な治療をしても症状が改善されず、治療効果がみられない顎関節症の症状が何年も続いている方がいらっしゃいます。
難治性の顎関節症の患者様です
難治性顎関節症
比較的治りやすいと考えられる顎関節症が、いろいろな治療を行なっても症状が改善しない場合には他の病気、要因が合併している可能性も考えなければなりません。
心理的要因
当ブログで以前にお知らせしたように、非定形性の顔面痛や身体表現性障害の疼痛性障害と同様に脳のなかで変調が起こり、慢性的な痛みを生じることがあります。
中枢(脳)の過敏化
痛みが長びくと脳の中の痛みを処理する部分が慢性的に刺激されて活性化してより敏感に痛みを感じるようになります。
本来は軽い痛みであっても激痛と感じるようなって治りにくくなってしまいます。
他の疾患にもいえることですが痛みを取り除くと言うことは精神的な面からもとても大切です。
歯医者で扱われる疾患の多くは痛みを伴うものがほとんどです。
早い段階では消炎鎮痛剤(ロキソニン、ボルタレンなど)を使用します。
消炎鎮痛剤は末梢の痛みに対して効果を発揮します。消炎鎮痛剤が効かない場合には中枢からの痛みに対しての指令によるものである可能性を考えます。
コントロールのむずかしい悪習癖
悪習癖の多くは睡眠中の激しい食いしばり(クレンチング)歯ぎしりなどの睡眠時ブラキシズムがあげられます。
睡眠中はご自身での力のコントロールができません。
睡眠中の強い食いしばりにより自分の顎関節、その周りの筋肉の耐える限界を超えてしまうと負荷がかかり続け顎関節症が治りにくくなります。
対策としてリラクゼーションスプリント、ナイトガードなどとよばれるマウスピースの装着がかんがえられます。
眼が覚めているとき覚醒時ブラキシズムには食いしばり・クレンチングやTCHがあげられます。
覚醒時ブラキシズムの食いしばり・クレンチングやTCHは自分で「気付く」ことができますが社会的な立場や職業、そこから発生するストレスなどの環境因子に左右されることも多く感じます。
症状を引き起こし、長引かせる要因
症状をひきおこしたり長引かせる要因には
・起きている間に気がつくと上下の歯をくっつけている
・寝ている間に歯ぎしりや食いしばりをする
・ガムをかんだり硬い物を好んでたべる(硬固物嗜好)
・片側で咬む癖がある(偏咀嚼)
・長時間大きく口を開けていた
・顎に打撲などで急激に強い力が加わった
・慢性的なストレスや不安がある
・職業柄、体に力を入れるときにくいしばってしまう
などが考えられます
難治性顎関節症の治療
心理的要因や中枢の過敏化については中枢性疼痛に対する薬物療法や行動療法など専門的な治療をおこなう必要があり、心療内科などのお医者様との連携が必要になってきます。
抗うつ剤など使用する薬物療法にしても副作用の対処の仕方などは専門的な知識が必要です。
ここでは悪習癖の除去に役立つと思われるストレスの緩和とその方法についてお知らせします。
かみしめていたり、上下の歯が接触していること気付いたら肩の力をぬいてリラックスしましょう。
肩の力が抜けるのをしっかりと自覚しましょう。
気付くための自分だけの目印を毎日の生活、職場につけるとよいでしょう。
さらに当院では自律訓練を奨めています。
自律訓練は第2公式までで十分なリラックス効果が得られます。
第2公式まですすんだら特殊公式を利用するとよいでしょう。
自律訓練は簡単なようですが、継続するためには患者様の「この病をなおす、かみしめをやめる」という強い気持ちが必要で、ハードルの高い場合もありますが、自律訓練のできる環境を整え自律訓練の時間を確保して行なうと効果があがります。
毎日の継続がとても大切です。