矯正歯科治療に力を入れている 久野歯科医院です
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失ってわかる歯の力
以前は「歯が悪くても命には別状がない」「歯が悪くなれば抜けばよい」「いたい思いをして長く歯医者に通うより、いっそ歯を抜いて入れ歯にしてほしい」といった考え方の方も多くいたと思います。
現在では、むし歯や歯周病は感染症であることが理解され全身の健康に悪影響を及ぼすことがわかってきていて、お口の中に興味を持ち、定期健診に歯医者に足を運んでくださる患者様も増えてきています。
歯の良し悪しは健康を左右するともいえます。
何時までも自分の歯で食べ物をかみ味わうことができるということは、高齢になって大きな楽しみであり生きがいのある人生を支えることにもつながります。
しかし今でも「歯は大切ですね」と、歯を失って初めてわかる歯の力を身にしみて知る患者様も多くいらっしゃることも事実です。
ここでもう一度、歯の大切さを確認しておきましょう。
咬み砕く力
歯の重要な役割りのひとつには食べ物をかみ砕くことがあります。
食べ物によってかみ砕くのに必要な力は違いますが、例えば、りんごには9kg、ステーキになると20kgの力が必要です。
歯を失うことで起こる悪影響
それだけ、歯の咀嚼する力は強力ですが1度歯が抜け落ちると咀嚼力はぐんと低下します。
奥歯が1本抜けただけで咀嚼力は3割、もう1本抜けると5割と、健康なときの半分まで低下してしまいます。
咀嚼力は入れ歯やブリッジで補うとある程度は回復しますが完全には元には戻りません。
咀嚼する力が弱くなると消化吸収が悪くなり胃や腸などの消化器にいい影響を及ぼしません。
咀嚼する力が低下すると咀嚼時間も短くなり唾液の分泌にも影響が出てきます。
また咀嚼が不十分だと精神面にも影響を与えイライラした状態になる可能性も否定できません。
前歯や奥歯が抜けていると空気は歯と歯の間から漏れて正しい発音をすることが難しくなります。
前歯が抜けると「サシスセソ」「ハヒフヘホ」、奥歯が抜けると「ラリルレロ」が正しく発音できません。
歯周病が原因の歯が抜けると歯周病の症状である歯の周辺の炎症や腫れなどは治まりますが、歯の周りの骨は吸収してなくなり顎に影響して顔つきも変化してきます。
頬がこけ口元も貧相になり、いかにもお年寄りと言う感じになってしまいます。
オーラルフレイル
お口の中のトラブルはオーラルフレイルを発生させ、やがては全身のフレイルへとすすみ、ドミノ倒しのように死に至ります。歯は健康な生活を営むためにとても大切な器官です。
困ったことに歯には自然治癒の力がありません。
歯の破壊が一度始まると、後は進行するだけです。早い時期に歯医者を訪ねて進行を止め修復することが大切です。