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常滑の矯正歯科 久野歯科医院 ≫ 院長Blog ≫ 【毎日の診療から】治療対応が難しい歯根の亀裂、縦破折について

【毎日の診療から】治療対応が難しい歯根の亀裂、縦破折について

開院113年の歴史のある歯医者 常滑の久野歯科医院です
 
皆様に役に立つ歯科の情報をわかりやすくお知らせします
 
歯根破折について
 
歯を失う大きな原因はむし歯と歯周病ですが最近非常に増えてきているのが歯根の破折です。
 
歯の根の治療技術が進み、型を取る材料の品質が高まって、現在では歯の根が健康な状態で歯周組織が健康に保たれていれば歯冠に相当する部分を人工物で立て直すことが可能となっています。
 
歯冠の部分が大きく崩壊してほとんど喪失している場合には人工物の支えを歯根に求めなければなりません。
 
歯冠に代わる歯の人工物のを歯根に求めると、咬む力がその上につくられた歯冠修復物から歯の根に伝わり歯根破切を起こすようです。
 
歯根破折を診断するのは、簡単ではありません。
 
最初は症状がないか、あっても硬いものを咬むと違和感がある程度にものしか自覚症状はありません。
 
また検査をしても確定的なものは検出できません。定期健診のときの患者様の問診や違和感より検査によってみつかることもあります。
 
歯根破折の特徴
 
歯根破折で特徴的なのは
 
・レントゲン写真による診断(歯根破切を思わせる取り囲むような透過像)
 
・1箇所~2箇所の深い歯周ポケット
 
・歯に近い位置にある歯ぐきの吹き出物のような膿の出入り口のあるふくらみ
 
・むし歯が大きく、歯の根に支えを求めている人工物がもととなっている歯冠修復
 
・咬む力がつよく、歯に対する負担が大きい
 
・ブラキシズムなどの異常習癖がある
 
・上顎の第Ⅰ小臼歯、第2小臼歯、第1大臼歯の頬側の歯根、下顎の第1大臼歯の前の歯根に多く見られます
 
歯根破折はむし歯や歯周病ではなく、周囲の歯槽骨は比較的吸収していない場合もおおくあり、自発痛も急性に転化しなければ違和感程度で経過する場合も多く診られます。
 
歯肉にある膿をもった膨らみで発見されることもありますが治療法があまりなく、不確実で抜歯の対象となってしまう可能性がたかくなります。
 
患者様には状況を十分説明をして今後の治療について相談いたします。
 
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歯茎の腫れを訴えられ、来院されました。
 
外側と内側の一部分に深い歯周ポケットがありました。
 
自発痛はあまり、ありません。
 
患者様に歯根破折の説明をいたしました。
 
抜歯の可能性が高いこと、その後の処置方針、治療法についてお話ししました。
 
歯根破折の対応策として抜歯即時インプラントは有力な一つの対応策です、が患者様はインプラントはご希望されていませんでした。
 
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1年10か月後の状態です。歯根破折が明瞭に映し出されています
 

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