歯医者 久野歯科医院です
皆様に役に立つ歯科の情報をわかりやすくお知らせします
パニック障害について
特に理由がないのにパニックを起こす「パニック障害」発作が何度もおきると、また起こるのではないか?外で起こったらどうしよう、などと怖がってしまいます。
パニック障害の病因
パニック障害の病因に1.脳の神経伝達物質の異常と2.ある物質が呼吸器の発作の誘因となることがかんがえられます。
神経系の異常ではパニック障害に関係していると思われるものにノルアドレナリン、セロトニン、GABAなどがあります。
ノルアドレナリンは頭をはっきりさせて自律神経の交感神経を活性化して体の緊張を高めたり呼吸を早くする働きがあります。
セロトニンは不安を和らげる作用がありGABAは神経の過剰な興奮を抑える作用があります。
パニック障害ではノルアドレナリンの分泌が亢進してセロトニンやGABAの働きが低下していると考えられます。
呼吸中枢の発作では2酸化炭素や乳酸ナトリウム、重炭酸塩などが誘引となるようです。
これらの物質は呼吸が浅くて速くなる「過呼吸発作」を引き起こします。
過呼吸発作がさらに神経系の伝達異常を引き起こすと考えられています
パニック障害の症状
交感神経の刺激症状と言われる症状が起こり10分ほどでピークに達します
具体的には
発汗、震え、感覚の麻痺、眩暈ふらつき呼吸困難、胸の痛み、動悸、頻脈などです
パニック発作は発作が起こりやすい準備段階ができているところにちょとした変化やストレスが加わると引き起こされると考えられています。
準備段階は生まれながらの素因や育ってきた環境などが関係すると考えられています。
パニック障害の患者様の身心状態は
・次に発作が何時起きるのだろうか?
・体に悪いところがあるのではないか?
・薬の副作用ではないか?
など常に不安に悩まされています。
パニック障害の発作を起こす、きっかけがわからないために、いつ発作が起こるか予測がつきません。
発作がおきたらすぐに助けが得られないと困るので、急行電車のなかや車の運転、飛行機、混雑した場所などの状況を避けるために、ひどくなると家に閉じこもるようになります。
パニック障害の治療
心臓血管疾患や呼吸器疾患、甲状腺機能亢進賞などの疾患との鑑別が必要です。
体に異常がないことを確認してつぎに、うつ病や他の精神疾患がないか調べます。
そうしてパニック障害であることを確認します。
薬物療法:抗うつ薬、抗不安薬、交感神経遮断薬
各々に副作用があり注意が必要です。
効果が出るのに多少時間がかかります。
また調子がよくなっても6ヶ月から1年はつづけることが大切です
精神療法:認知療法、行動療法、リラックス・自律訓練、呼吸訓練
自律訓練は体をリラックスさせるのに効果的で上手く、習得すれば薬物に匹敵する効果が得られます。
呼吸訓練は腹式呼吸の深呼吸をゆっくり行なうことで過呼吸を防ぎます。
過呼吸発作のときはビニール袋を口に当て自分の吐いた2酸化炭素を際呼吸して取り込むと症状が改善されます
治療により70%に方は比較的短期間でよくなっていきます。
30%に方は気長に治療する事で改善されていきます。
歯科とのかかわり
交感神経の活動の亢進で唾液の分泌が減少します。
薬物療法に使用される抗うつ薬は副作用にのどの渇きのあるものがあります。
いずれもドライマウスの原因となりむし歯が発生しやすかったり、歯周病が悪化する可能性があります。
また歯科の治療は健康な人でも診療台に上れば緊張し、大きなストレスがかかります。
パニック発作の引き金になりかねません。
抜歯等を行なう時には鎮静法などを併用して治療します。
かかりつけの歯医者をもち、説明をしっかりと受けて、段階を踏むように治療しましょう。
むし歯にならない、歯周病を悪化させないことが大切です。
日頃のセルフケアに心がけます。