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常滑の矯正歯科 久野歯科医院 ≫ 院長Blog ≫ 【毎日の歯科診療から】非常に対応の難しいすれ違い咬合の入れ歯

【毎日の歯科診療から】非常に対応の難しいすれ違い咬合の入れ歯

痛みの少ない歯科治療を努めています 常滑市の歯科、矯正歯科 久野歯科医院です

皆様に役に立つ歯科の情報をわかりやすくお知らせします

すれ違い咬合とは

患者様の中には短い期間で何度も入れ歯が壊れてくる患者様がいらっしゃいます。

多くの場合、そのような患者様は歯の残っている位置や歯数などに問題があることがみられます。

たとえば、上顎の奥歯にはご自分の歯が残っていて、前歯の部分には歯がなく、下顎の奥歯には歯がなく、前歯にご自分の歯が残っているようなケース。

上顎の右側には歯が残っていて、左側に歯がはなく、下顎にはその反対に左側に歯が残っていて右側に歯のないケースがこのような状態に当たります。

このようなお口のなかのかみ合わせの状態を「すれ違い咬合」といい、上下の残っている歯のかみ合う相手が入れ歯の人工歯となります。

このすれ違い咬合は歯が見かけ上、比較的多く歯が残っていても、かみ合う歯がなく、入れ歯を使用する患者様にとって、入れ歯をつくり、装着、調整する歯医者にとっても非常に厄介な、お口のなかの状態となります。

・入れ歯の調子が悪い。

・入れ歯が痛む。

・ものがよくかめない。

・入れ歯ががたがたする。

すれ違い咬合の入れ歯は、とても苦情の多い入れ歯の部類に入ります。

入れ歯の破損、破折

さらに入れ歯が壊れやすいのも大きな特徴です。

咬む力を入れ歯が受け止めきれず耐えられなくなり入れ歯が壊れると思われます。

歯のない入れ歯の部分と残っている歯の条件を考慮に入れて、入れ歯が受ける力を残っている歯に伝え、受け止める装置を十分に検討して位置を設置しても支台・維持装置の部分から亀裂が入り、壊れてきます。

時には支台装置が壊れてくる場合もあります。

壊れないように入れ歯の強度を上げれば、今度は入れ歯を支えている歯がトラブルを引き起こしてくる可能性が高まってきます。

加えて歯周病が顕在化して症状が悪化したり、かみしめ・クレンチングのようなブラキシズム(パラファンクション)があると、さらに残っている歯を喪失してしまう事態を招く危険性が増してきます。

これらの問題に入れ歯の材料自体の耐用年数、劣化の問題が加わってきます。

すれ違い咬合の入れ歯は患者様にも歯医者にも、とてもやっかいな入れ歯です。

一方、入れ歯が壊れてくれることで入れ歯がストレスブレーカーとなり、残っている歯の保存に役立っていると考えることもできます。

入れ歯はつくり直しができますが、歯にひとたび破折などのトラブルに陥ると歯の喪失のつながる可能性が出てきます。

少しでもお口のなかで入れ歯が十分に人工臓器として働くためにはやはり、入れ歯を含めた定期健診でお口の中のチェックが必要です

すれ違い咬合の対処

 

この問題を解決するひとつの手段としてはインプラント治療が挙げられます。

欠損部にインプラントを施し、残っている歯と咬みあわせを構成すればすれ違い咬合の諸問題を解決することができます。

しかしインプラント療法には手術が必要です。

すれ違い咬合の状態の顎堤は低い場合も多く、インプラント体を埋入するさらなる手術が必要なこともあります。

手術に耐えられる健康な体の状態も不可欠です。

保険診療が認めらておらず自費診療となり治療費は高額となります。

お口のなかの機能の回復を入れ歯で行なうのかインプラントで行なうのか、長所と短所を知り十分に歯医者に説明を受けて治療を受けることがとても大切なことであると考えます。

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