開院113年の歴史のある歯医者 常滑の歯科、矯正歯科l 久野歯科医院です
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舌咽神経痛について
舌咽神経は脳神経12対のうちのひとつで、主として舌と咽頭に関連のある領域に分布する脳神経です
舌咽神経痛は舌咽神経の支配領域である舌根、扁桃、咽頭部の発作的な痛みのことをいいます。
舌咽神経痛の症状
痛みは顎を動かすことにより舌やのどのおくがひっぱられるとおこります。具体的には
・ものを飲み込むとき
・ものをかむとき
・話をするとき
・大きく口を開けるとき
・冷たいものや刺激のあるものが口に入るとき
などが痛みの出るきっかけとなります。
痛みは奥の深いところで起こるため患者様は痛みの部位がはっきり分からないこともあります。
痛みは三叉神経痛と同様に一瞬の突き刺さるような、電気が走るようなものであるとされていますが、三叉神経痛でも痛みの感じ方は人によって違います。
舌咽神経痛もじわじわと焼け付くような痛みとして感じられることもあるようです。
舌咽神経痛の臨床診断
舌咽神経痛は三叉神経痛の50分の1から100分の1の有病率で比較的まれな疾患です
50歳以上で発症して寛解と発作を繰り返すことがあります。
患者様の話を十分に聞いてお口のなかにむし歯や歯周病がないか十分な診査をしたうえでの診断が必要です。
舌の根元の舌根部やのどの奥の咽頭部の視診ではびらん、潰瘍などの異常が見当たらないのが厄介です。
のどの奥に表面麻酔のスプレーをすると発作が止まることで、舌咽神経痛の診断とすることもできますが、表面麻酔が効いている間に誤嚥を防ぐように痛みを出している片側の舌咽神経の支配領域に確実にスプレーすることも大切です
診断に当たっては、あたまから決め付けることは慎まなければなりません。
口腔、顔面の痛みのある多くの疾患について知ることや神経痛の原因を探り、見つけ出すことで原因不明な痛みに対する患者様の不安も軽減すると思います。
舌咽神経痛の治療
口腔外科へ紹介します。さらに必要であれば脳神経内科、脳神経外科への紹介となります。
MRIなどの画像診断を加えて確定診断ができれば、薬物療法、外科処置などが考えられます。