患者様にご負担の少ない歯科治療を目指しています 常滑の歯医者久野歯科医院です
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骨粗鬆症の治療薬とお口の健康について
高齢になりますと特に女性は骨がもろくなり、ちょっとしたことで骨折することが多くなります。
骨が脆くなるのは女性ホルモンの減少に原因があります。
特に大腿骨の大転子部付近の頚部骨折は、寝たきりの大きな要素となり介護が必要となったり要介護度がましたり、さらには命を脅かします。
また骨粗鬆症の患者様は歯を支えている骨が弱くなったり、歯の周りの組織(歯周組織)の病気になりやすくなるという報告があります
骨粗鬆症のお薬は骨を強化して骨折を防ぎます。
骨粗鬆症の薬には破骨細胞と骨芽細胞の働きのバランスを整える働きがあります。
骨粗鬆症の治療薬について
3つのタイプがあり、
1.骨の作り変えのバランスを整えるもの
2.骨を作る働きを高めるもの
3.骨を壊す働きを抑えるもの
にわけられます。
1.骨の作り変えのバランスを整えるもの
ビタミンD3薬がこれに相当します。骨を壊す働きを押さえ、骨を作る働きを促進する療法の効果を持っていて骨の作り変えのバランスを調整します。腸からのカルシウムの吸収を助けます
薬品名はアルファロール、エディロール、ロカルトールなどです
2. 骨を作る働きを高めるもの
骨芽細胞が骨をつくる働きを促進する作用があります。
副甲状腺ホルモン薬で注射薬です。骨密度がひどく低い人の使用されることが多いです。ずっと使用するわけでなく使用できるのは24ヶ月とされています
薬品名はフォルテオ、テリポンで注射薬です
3.骨を壊す働きを抑えるもの
破骨細胞が骨を壊す作用を抑制するように働きかける薬です
ビスホスホネート系の薬剤とデノスマブ、SERM(サーム)がこれにあたります
SERMは女性ホルモンに似た作用があり50~60代の骨折のあまり心配のない方に使用されます
薬品名はエビスタ、ビビアントなどです
最近は整形外科などのお医者さまから、歯科を受診される患者様について骨粗鬆症のお薬を飲んでいらっしゃることを知らせるカードを患者様がお持ちになることが多くあります。
主にビスホスホネート系の薬剤とデノスマブで骨粗鬆症の治療をされている患者様です
すべてのお薬には効果的に働く主な作用がありますが反面、副作用があります。
お口の中に現れる副作用
お口のなかに発現するビスホスホネート系の薬剤とデノスマブの副作用として注意しなければならないものに顎骨骨髄炎や顎骨壊死があります。
歯周病が悪化すると顎の骨にも炎症が拡がり、顎骨骨髄炎や顎骨壊死が見られることがあります。
・顎に直らない深い傷がある、
・下唇や下顎あたりが痺れる、
・顎に鈍い痛みがあり、続いている。
などの症状がある場合は歯医者を受診することをすすめます。
また、ご自分の歯がなくなってしまった入れ歯の方でも慢性的な入れ歯の傷から顎骨骨髄炎や顎骨壊死となる可能性があります
顎骨骨髄炎や顎骨壊死を予防するためには、しっかりとした口腔ケアを行なってお口のなかを清潔に保ち、お口のなかの感染を防ぐことが大切です。
ビスホスホネート系薬剤の名前はフォサマック、ボナロン、ボノテオ、リカルボン、アクトネル、ベネットなどが内服薬でゾメタ、ボナロン、ボンビバなどが注射薬です
デノスマブの名前はプラリア、ランマークで注射薬です。プラリアは6ヶ月に1度注射をおこないます。
骨粗鬆症の治療のお話がお医者様からあれば、歯医者に受診して歯の治療を済ませておくことも必要になってきます。
特に歯を抜くような外科処置をともなうものがあれば、歯科治療を済ませておきます。
骨粗鬆症の薬物療法を継続中も定期的な歯や歯ぐきの健康チェックと歯石の除去、クリーニングが重要です
治療薬の名前からどのタイプの薬でご自分が治療を受けているか知っておくことも必要です