常滑で113年の歴史のある歯医者 久野歯科医院です
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舌癖と低位舌について
毎日の生活の中で、無心に本を読んだり、テレビを見ているとき、学校の授業を受け先生の話を聞いている時、テレビゲームをしている時に口をポカーンと開けて上下の歯の間に舌が出ていたり、飲み込むときに舌を突き出し、歯を押すような癖を舌癖(ぜつへき)といいます。
私たちは無意識に1日600~2000回飲み込む動作(嚥下)をしていますが、歯ならびに悪い影響を与えない正しい飲み込み方は、唇を閉じて、舌をうわあごにつけ、奥歯をかみしめて、のどを使って飲み込みます。
舌癖のある人はいつも舌が口の中の下の方や前の方にあり、歯を押しています。
飲み込む時には、さらに押し出す強い力が歯に加わります。
舌癖のある人は、いつも舌が口の中の下の方や前の方にあり、歯を押しています。
そして飲み込むときにはさらに押し出す強い舌の力が歯に加わります。
舌癖のある方はいつも口を開けているため舌が内側から歯を押す力に対して外側から押さえる唇や頬の筋肉に力がありません。
舌癖が原因で出っ歯になったり、歯と歯の間に隙間があいたり上下の歯が咬みあわない歯ならびになることがあります。
また話をするときにその隙間に舌が入るためサ行、タ行、ナ行、ラ行などが舌足らずな発音になることもあります。
舌癖の原因
1.口をあけて息をする(口呼吸)
鼻の病気(アレルギ-性鼻炎、慢性鼻炎、蓄膿症など)
のどの病気(扁桃肥大、アデノイドなど)
2.舌の裏のひも(舌小帯)が短い
3.指しゃぶり(前歯に隙間ができて舌が出やすい)
4.遺伝(顔かたちにより舌癖の出やすいタイプ)
舌癖のトレーニング
トレーニングの目的
・舌の筋肉の力を強くする
・唇、頬、口の周りの筋肉を付ける
・正しい飲み込み方をおぼえる
・普段の生活の中でトレーニングで覚えた舌の位置や唇の状態を保ち正しい飲み込み方を習慣にする
舌癖のトレーニングについてのポイント
トレーニングは混合歯列期が最適で大人になるとやりにくく定着しづらくなります
お口を閉じること(口唇の閉鎖)が非常に重要です
お口(口唇)を閉じないと舌は下におちます(低位舌といいます)
舌が正しい位置にあると鼻呼吸しかできません
舌癖のトレーニングには計画的で、段階を踏んだレッスンが必要です。
ここでは、簡単にできる代表的なものをトレーニングの導入として紹介、解説します。
ガムトレーニングとは
キシリトールガム奥歯でしっかりと咬んだら、丸めて上あごと舌でガムをつぶします
10分ほど味がなくなるまでおこないます
ポンピング
舌の機能訓練のひとつです
舌を上あごにつけて舌をはじくように音をだします。
舌つづみともいいます
あいうべ体操
1日30回行ないます。
6回を5回に分けておこなう 朝登校前、学校帰宅時、入浴時、就寝時など
あいうべ体操は人間本来の鼻呼吸で免疫力をアップさせます。
口と鼻は病気の入り口とも言われています。
鼻呼吸をすることにより外部から体内に侵入してくるウイルス(インフルエンザ、麻疹など)細菌などの感染防止に役立ちます。
子供たちだけでなくご家庭で、ご家族で毎日の習慣になるように行いましょう。
マスクをつけるときは口呼吸になっていないか常に確認してください。
マスクをつけることにより息苦しさがあり、マスクの下で口呼吸をしてしまいがちです。
態癖について
口呼吸も態癖のひとつですが、ほかに頬杖やうつぶせ寝(睡眠態癖)などはやめましょう。
長い時間の悪い姿勢、態勢は歯並び、かみ合わせに大きく影響します。
寝るときの口呼吸のコントロール
就寝時の口呼吸の制限を行ないます。
15mm~20mm幅の紙絆創膏を用意します。
鼻の下の真ん中から頤にかけて紙絆創膏をタテに使用してお口を閉じた状態で貼り付けます。
口の開かないことを確認してそのまま就寝します。
なれないうちは息苦しさを感じますが、無理なく就寝できるようになります。
大人が一度試してその後、子供たちに行なってください。
できるだけ、仰向き寝を心がけてください。睡眠中の姿勢もかみ合わせに大きく影響します。
舌癖のトレーニングは毎日練習したり、いつもの舌の位置や唇の状態、飲み込み方に気を付けなければならないので本人のやる気がとても大切です。
小さい子にはご家族の励ましや協力が必要です