常滑市の北部に位置している開院114年歴史のある歯医者 久野歯科医院です
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神経のある歯の亀裂について
自発痛の強い患者様が来院されました。
患者様からは「咬むと痛みを感じる。熱いものや冷たいものが強くしみる。痛みを強く感じるようになった。」とおはなしいただきました
お口の中を拝見しますと
・患者様の不快症状を訴えている部位には異常が認められない。
・レントゲン写真による診査の結果でも異常がない。
・銀スズアマルガムという金属の練った詰め物がしてある以外には一見健全な歯に思われました。
診断
レントゲン写真には異常は写ってきてません
隣り合った歯の部位に隠れたむし歯はありません
歯周病を思わせる歯槽骨の吸収も見当たりません
歯の植わっている骨と根の間の隙間もそれ程拡がっているようには見えません
歯の根は4つあることが分かります
むし歯の可能性も否定できないため麻酔をすることなくアマルガムを取り除くと歯に亀裂(ひび)がみつかりました。
症状から判断すればその亀裂からの細菌感染が神経(歯髄)にまで、及んでいたと思われ、そのために強い不快症状があったと思われます。
神経のある歯の亀裂は亀裂が歯のどの部位にまで及んでいるかで処置が変わってきます。
亀裂がエナメル質内であれば問題ありません。
そのまま様子を見る場合も多くあります。
象牙質に亀裂があれば、亀裂の範囲が大きくならないように修復処置を講じます。
処置方針
亀裂が神経(歯髄)にまで拡がっていれば、歯髄の除去と根管治療をしなければならなくなり、その後の修復処置は歯を完全に被覆することになると思います。
さらに亀裂が歯根や歯の底の部位(髄床底)におよんでいれば、新しい歯科材料の応用を試みますが、一般的には予後がわるく、歯を抜かなければならないケースもでてきます。
亀裂は時間の経過と共に進行していく可能性もありますので早めの対応も必要となります。
今回の患者様のケースでは歯の奥の部位に深い亀裂がみつかり、歯髄の除去と根管治療に後、歯の全体を覆おう被覆冠での歯冠修復が必要になると思います。