体にご負担の少ない歯科治療を目指しています 常滑の歯科、矯正歯科の久野歯科医院です
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加齢とともに起こるお口腔内の変化とそれによって起こるリスクとその対策
年を重ねてまいりますと体のほうにも変化が生じ、お口のなかの状態も変化してきます。
以前のように、手も自分で思うようには動かなくなってきます。
お口のセルフケアも年齢に応じた方法が必要です
高齢者のセルフケア
高齢になるとセルフケアの方法が大雑把になりがちです。
筋力が低下して今までできていたことが、長く続けてできなくなることも起こってきます。
高齢者の中にはそれを自覚して一時的に落胆される方もいらっしゃいます。
単純にできることが高齢者の方のセルフケアでは重要なポイントとなります
電動はブラシは疲れ知らずで歯ブラシの動きは一定です。
電動ブラシは利用を考えても良いと思います
高齢者のセルフケアには安全性も軽視できません。歯ぐきが下がってくることを歯肉退縮といいます。
歯肉退縮の原因のひとつには加齢も大きな要因です。
歯肉の退縮がおこると歯ぐきを傷つけてしまう可能性もあります。
歯肉の退縮について
健康であった歯肉は加齢と共に歯の周りの骨がやせて、歯肉が下がり、歯の根の部分が露出してきます
本人は最初は歯茎が下がってきていることに気付かず、自己流のブラッシングをくりかえしオーバーブラッシングとなってしまうと象牙質が、露出した歯の根の部分が減ってむし歯になりやすい状態になります。
また歯の根の部分には簡単にむし歯が発生します。歯の根の部分のむし歯のことを根面う蝕といいます。
細菌は80歳以上の方でも多くの歯が残っており、根面う蝕の予防、早期治療も大切になってきました。
そのためには定期健診も必要で役に立ちます。
唾液の減少について
年齢を重ねてまいりますと、お口のなかに分泌される唾液が生理的にも減少してまいります。
そこに高血圧、糖尿病に代表される基礎疾患や疾患の治療のための薬物療法でさらに唾液の減少が著明となります。
唾液の役割りはとても大切で消化作用、抗菌作用、粘膜保護作用、食塊形成作用、酸の緩衝作用、粘膜修復作用、歯の再石灰化作用、お口のなかを潤し会話などを円滑にする潤滑作用などがあり、健康を保ち守ってくれています。
唾液の分泌量が減少するとむし歯や歯周病だけではなく多くの全身疾患のリスクが高まります。
「口の乾きが気になる」「話がしにくい」「硬いものや乾いたもの(クラッカー、クッキーなど)食べにくい」「以前に比べて入れ歯がこすれて痛い」などの自覚症状が唾液の分泌量の減少のサインとなります。
唾液の減少への対処
唾液の減少への対処法には食事指導や唾液腺のマッサージを行なって唾液の分泌を促進する。ガムを咬むなどの方法があります。
健康によい「あいうべ体操」には即効性はありませんが毎日定期的に数回にわけて行なう習慣をつけることで唾液の分泌量が増加します。
また口腔保湿剤のマウスリンスやマウスジェルもドライマウスの症状改善の補助として有効であると考えています。
舌苔について
唾液の分泌が減少すると自浄作用が低下して舌の表面に舌苔がつきやすくなります。
舌苔を放置しておくと味を感じにくくなったり味覚が変化してきます。舌には味を感じる細胞があり、それを味蕾細胞と言います
舌苔のケアを行なうには「舌クリーナー」と言う道具を使用します。味蕾は舌乳頭という小さな突起部分に多く分布しています。
舌の組織は非常に繊細なので、強く舌クリーナーをこすり、使用すると味蕾細胞を傷つけてしまう可能性があります。
また舌苔は口臭の大きな原因となっています。唾液の減少と舌苔の量の増加があいまって、口臭が発生します。