痛みの少ない歯科治療を目指しています 久野歯科医院です。
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唾石症について
部分入れ歯で下顎の前の方に痛みがあり、腫れている患者様が来院されました
舌下部の唾液腺の開口部(舌下小丘部)より膿がでて、腫れています
レントゲン検査により腺管部に不透過性の物体が認められました
唾石症とは
3大唾液腺の耳下腺、舌下腺、顎下腺と小唾液腺の腺体や唾液の出る道(導管)のなかにできる結石を唾石といい、これによる唾液腺の腫れや炎症などの症状を唾石症といいます。
唾石は顎下腺とその唾液の出る管(ワルトン管)に多く、片側にできます。
耳下腺、舌下腺、小唾液腺には少ないです。
唾石症の原因
原因ははっきりといたしませんが、慢性経過の炎症、外傷、迷入した異物、剥離した上皮、唾液の成分や膠質化学変化などが考えられます。
唾石の大きさは粟粒大から雀卵大で色は黄色身を帯びた白色であったり、褐色で表面は平滑なものから粗造なものまで、硬さはやや硬いものから骨に近い硬さまで多様です
唾石症の症状
唾液腺の腫れや痛みがあります。
腫れや痛みは食事と共に増加して食後30分ぐらいで小さくなり、痛みも和らいでくることが多いようです。
唾石により唾液の排出が詰まると痛みが発現します。
これを唾仙痛といい、唾石症の特徴的な臨床症状です。
さらに炎症があれば、腫れや痛みが増し、唾液の出口の部分が赤くなり、膿が出ることもあります。
下顎の舌の下の柔らかい部分(口腔底)に炎症が拡がれば蜂巣織炎になる可能性もあります
唾石症の診断
両方の指で唾液腺や導管部位をおさえながら唾石を感じるか、レントゲン撮影により唾石を認めれれば、診断が確立します。
CTによる画像診断も有効だと思います。
血液検査で炎症があれば当然、赤沈やCRPも高くなります
唾石症の治療
炎症のある場合は導管出口の洗浄と排膿、抗生剤の投与を行い、消炎をいたします。
導管出口から自然に排出されることもありますが、唾石症の位置が出口に近く導管内であれば切開を行い、唾石を取り除きます。
腺体内の唾石は更なる手術が必要です