久野歯科医院です
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MRI検査とワイヤーを使用した矯正歯科治療について
矯正治療中の女性が慢性的な頭痛に悩んでいるようで、今回MRI検査が必要であると相談がありました。
MRI検査とは
MRIとは磁気共鳴画像(Magnetic Resonance Imaging)の略で強い磁力と電磁波を使って、体内の状態を断面像として描写する検査です。
エックス線は使用しないので被ばくに関しては問題ありません。
撮影ベッドに寝ていただき、30分ほどの検査時間と検査中に機械音が伴いますが痛みを伴うことはありません。
しかし検査を受けることができない場合もあります。
適応できない代表的なものには心臓ぺースメーカー、埋め込み型除細動器を装着されている方、インシュリン注入ポンプを装着されている方、人工内耳を装着されている方などがあります。
また検査を行う上で検査が可能かどうか確認しなければならないときもあります
検査が可能か確認しなければならない場合の中に歯列矯正装置、デンタルインプラント、磁石を使用した義歯、金属製の補綴物(被せ物、ブリッジ、入れ歯、磁性アタッチメント)や金属を使用した矯正装置(ブラケット、ワイヤー、結紮線)などが歯科関連としてあります
MRI検査にあたり、歯科関連で大きく影響を与えるものには画像のアーチファクトと発熱、装置の脱離があげられます
アーチファクトとは
実際の組織の空間的な分布と異なるMR画像上の構造物または干渉、画像の乱れのことをいいます。
金属アーチファクト
矯正歯科では固定式(取り外しのできない)装置に多く金属が使用されているので、金属アーチファクトが発現すれば、脳のMRI画像に影響が現れ読影がむずかしくなります。
歯の修復物による発熱
金属でできているブラケット、チューブなどの矯正装置にMRI撮影中に発熱の影響が出ますが問題とはならない温度上昇です。
矯正装置の脱落
またブラケット、チューブは接着性のつよい接着剤を使用しているためMRI検査中の脱落は可能性が低いと考えられます。結紮線の緩みには注意が必要だとおもいます。
当院では小臼歯から小臼歯までにスロットには金属が使用してありますがプラスティックブラケットを使用しています。
メタルブラケットに比べれば金属使用量は少なくなっていますが、金属アーチファクトに影響が少ないかはわかりません。
今回は結紮線をすべて除去、治療中のワイヤーを一旦とりはずし、ブラケットなどの装置の脱離がないことを確認してMRI検査をうけていただくことになりました。