久野歯科医院です
皆様に役に立つ情報をわかりやすくお知らせします
悪影響を及ぼすストレス
現代はストレス社会と呼ばれ、ストレスの悪影響は全身に及びます。
またストレスが原因のひとつであるお口のなかに発生する疾患もドライマウス、TCH、顎関節症、非定形歯痛、舌疼痛症など数多くあります。
ストレスを緩和する方法の一つとして自分の性格を知り、ストレスを受けやすい部分があれば修正していくことも大切であると考えられます。
孫子の兵法の中に「敵を知り、己を知れば百戦危うからず」の記述があります。
自分のことを客観的にある程度知ることはストレスの多いこの社会で大事なことのひとつであると思います
交流分析とは
交流分析とは、心療内科の治療法の中のひとつで1957年アメリカの精神科医のエリックバーンによって創られた人間の交流や行動に関する理論体系です
交流分析は、よく用いられている簡易精神分析のように過去のことや、今までの人間関係をほじくりかえさない精神分析の口語版ともいわれています。
「過去は変えられない変えられるのは現在と未来のみだから他人は変えられない、変われるのは自分である」ことを基本にしています
交流分析とは構造分析(エゴグラム)、やり取りの分析(交流パターン相補、交差、裏面)ゲーム分析、脚本分析からなっていてわかりやすい自分発見の方法で、やさしい対人関係の科学です。
構造分析(エゴグラム)について
また心療内科の治療法では薬物療法、交流分析、自律訓練、行動療法が代表的なものです
ここでは構造分析のエゴグラムについて説明します
大きく5つに分けられた10の質問に答えていきます
第1群(CP:Critical Parent)
①間違ったことに対して間違いだといいます
②時間を守らないのがいやです
③規則やルールを守ります
④人や自分をとがめます
⑤「~すべきだ」「~ネバならない」と思います
⑥決めたことは最後まで守ります
⑦借りたお金は期限内に返します
⑧約束を破ることはありません
⑨不正なことには妥協しません
⑩無責任な人は許せません
第2群(NP:Nurturing Parent)
①思いやりがあります
②人をほめるのが上手です
③人の話を良く聞きます
④人の気持ちを考えます
⑤ちょっとした贈り物をしたいです
⑥人の失敗には寛大です
⑦世話好きです
⑧自分から温かく挨拶します
⑨困っている人をみると何とかしてあげます
⑩子供や目下の人をかわいがります
第3群(A:Adult)
①なんでも何が中心問題か考えなおします
②物事を事実に基づいて考えます
③何故そうなのか理由を検討します
④情緒的というより理論的です
⑤新聞の社会面などに興味があります
⑥結末を予測して準備します
⑦物事を冷静に判断します
⑧わからないことはわかるまで追求します
⑨仕事や生活の予定を記録します
⑩他の人ならどうするか客観視します
第4群(FC:Free Child)
①してみたいことがいっぱいあります
②気分転換がじょうずです
③よく笑います
④好奇心が強いほうです
⑤物事を明るく考えます
⑥茶目っ気があります
⑦新しいことが好きです
⑧将来の夢や楽しいことを空想するのが好きです
⑨趣味が豊かです
⑩「すごい」「輪あー」「ヘエー」などの感嘆詞をよく使います
第5群(AC:Adaputed Child)
①人の気持ちが気になってあわせてしまいます
②人前に出るより後ろに引っ込んでしまいます
③よく後悔します
④相手の顔色をうかがいます
⑤不愉快なことがあっても口にださず抑えてしまいます
⑥人によく思われようとふるまいます
⑦協調性があります
⑧遠慮がちです
⑨周囲の人の意見に振り回されます
⑩自分が悪くないのにすぐ謝ります
各群の各項目で、はいは○2点 どちらともいえないは△1点 いいえは×で0点とします
各群は心の中の5人家族(自我状態、行動パターン)をあらわします
CP:Critical Parent(批判的な親)がんこおやじ
NP:Nurturing Parent(擁護的な親)優しい母親
A:Adult(大人)
FC:Free Child(自由奔放な子供)傍若無人のいたずら坊主
AC:Adaputed Child(順応した子供)ぶりっ子・いい子
縦軸に0から20までの目盛りをつけ、横軸には均等な間隔でⅠ群から5群までをマークします。縦軸と横軸の交点をつなげると折れ線グラフ様の図ができあがります。
この図のことをエゴグラムといいます
・エゴグラムの最も高い自我状態が最初の行動を決定するといわれています
・エゴグラムの最も低いところが行動上の弱点であるといわれています
自分の弱点にきずいた場合には最も低い自我状態を高めるようにするのが良いと思われます
・FCとACがポイントでFCよりACが高い人はストレスに要注意です
ACが高いと人に気を使いすぎ、FCが低いと気分転換が上手にできません
エゴグラムの代表的なパターン
1.へ型・円満パターン(アベレージ)
NPを頂点とする自分も他人も認める常識的な人物でAを頂点としている場合はアメリカ人に多く合理的であるといわれています。
メジャーリーグの審判の大谷選手への判定やアメリカ開催の採点競技ではえこひいきのようで、そうは思えませんが・・・
2.N型・献身パターン(ナイチンゲール)
NPを頂点としFCをそことしている人でストレス病の人やストレス病になりやすいといわれています。
自分を楽しむことがなかなかできません
わたしは完全なN型ではないのですがこのタイプです。もっと毎日を、自分をたのしむようにしたいものです。
3.逆N型・自己主張パターン(ドナルドダック)
CPとFCが高く、NP,ACが低い人は自己中心的な傾向があり自己主張が強いタイプが多いそうです。責任の所在は他人にあり、自分は常に正しいという内省に乏しい人で芸能、芸術方面にはよい面がでます。ある外国の指導層にこのタイプがいそうです。
4.V型・葛藤パターン(ハムレット)
自他共に否定的な発想や行動をしやすく、厭世的な人で責任感や使命感に縛られている厳しい自分と他人に対して言いたいことが言えない控えめな自分が絶えず葛藤繰り返しているタイプです
5.W型・苦悩パターン(ウエルテル)
4のAの高いタイプ。
仕事の目標を高く上げて実行するが、ACが高いので結果にいつも満足せず自責の念を持ちやすい。NPとFCが低いので他人と温かく交わるのが下手
6.M型・明朗タイプ(アイドル)
明るく朗らかな女性に多いタイプ。宴会の時に大活躍するするタイプといわれています。
新型コロナウイルス感染症の発生以降、大きな宴会等はほとんどないと思いますが実際、宴会のときに騒いでいて、しらふになったときには何も覚えていないような迷惑なタイプはこのタイプには当たらないと思います。
FCが高く、Aがあまりに低いと、物事を冷静に捉えることができず問題になることもあります。
7.右下がり型(ボス)
頑固、他の人の意見の耳を貸さないが集団を目標にぐんぐん引っ張っていくリーダシップの源になります。
脳血管障害や心疾患に注意が必要です。アグレッシブタイプです
自分を客観的に知ること
「他人を変えることはできないが、自分を知り自分を変えることは可能である」と言われます
言うは易し行動するは難しで、複雑な自分の性格を知ることは簡単ではありませんが、エゴグラムも自分を知るひとつの指標になると思います。
自分を知り、コントロールすることで行き過ぎた行動にブレーキを踏むことができたり、引っ込み思案な自分から建設的意見を発言したりすることで、よい方向に自分を変えていくきっかけになればと思っています。
今年もあとわずか、年末年始のお休みの時間を利用して自分をみつめなおすのも良いと思います
久野歯科医院 院長
久野昌士