目立たず無理せず背伸びせずの久野歯科医院です
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お口の健康と喫煙について
現代では昭和の時代から比べ物にならないほど、世間で禁煙傾向が非常に高まっており、病院、医院など歯科を含めて全面的に禁煙です
喫煙率は2019年では16.7%で、男性で27.1%女性で7.6%です
さらに東京オリンピックの開催で環境的にも制限され喫煙率は低下していくことでしょう。
喫煙することで各臓器に悪影響を及ぼし、全身的な疾患のリスクが高まります。
・血管の老化、動脈硬化を促進させ血圧を上昇させます。
・脳では脳梗塞、心臓では心筋梗塞を助長させます。
・肺では肺炎、肺がんの原因になります。
新型コロナウイルス感染症では喫煙の習慣がある人は、ない人に比べ重症化しやすく肺炎へと進行しやすくなります
喫煙と歯周病の関係
お口の中では口腔粘膜ではニコチン性口内炎や、扁平たいせん、口腔がんを発生しやすく、歯周組織では歯周病を悪化させます。
喫煙していると
・歯周病にかかりやすくなります
・血管が収縮し血行不良のため、見かけの炎症が抑えられ、歯ぐきからの出血や腫れがあらわれにくくなり、歯周病の症状に気付きにくくなります
・歯周病の治療の基本治療、歯周外科治療を行なっても、治りにくく効果が期待できません
・歯周病が悪化するため歯を失い残っている歯の数が少なくなっていきます
禁煙をすると粘膜や歯ぐきから吸収されていた有害物質がなくなり、血管の収縮を改善し血液循環がよくなります。
そのため粘膜の反応がまし、歯周病が治りやすく、口臭も減ってきます
喫煙と健康被害
このように直接的な喫煙の悪影響は言うまでもないのですが、ご家族や子供の健康にも受動喫煙の悪影響を及ぼします
昔は仕事の会議は煙草を吸いながら行なわれたり、対人関係や交渉相手とのアイテムとして何の抵抗もなく煙草が使用されていました。
そして家庭内でも当然のごとく食後や「気分転換」やリラックスのために喫煙が行なわれていました。
喫煙は血管を収縮させ血圧を上昇させますので本来はリラックスはできません。
受動喫煙もお口から有害物質はおおく体内に侵入しますのでご家族のお口の中にも悪影響がでてきます。
受動喫煙により歯肉が黒っぽくなりメラニン色素の沈着が起こります。
歯肉の抵抗性が低下し、歯周病のリスクが3倍以上に跳ね上がります
喫煙はいっしょに生活している大切な人や他の人々の健康を害することになります
上の子供の歯肉のメラニン色素の沈着の写真では、ご家族のお父様が喫煙者であることがわかっています
禁煙することができれば歯肉の硬さや厚みが1年ほどで正常に戻り、メラニン色素の沈着は減少するのに数年はかかるようです。
健康被害があるのは紙巻煙草だけでなく、加熱式タバコ、電子タバコ、水タバコなどいかなる煙草でも同様です
歯周病の予防、歯肉炎の悪化を防ぐためには一般的なオーラルケアだけでなく喫煙習慣のある方は禁煙が必ず必要であるといっても過言ではなさそうです
久野歯科医院 院長
久野昌士