久野歯科医院です
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外科処置の後、血が止まらない
患者様の概要
矯正歯科の動的治療が終了し、前歯部の比較的広範囲な歯肉の形成外科をおこなった患者様から「血が止まらない」とご連絡をいただきました
歯医者で外科処置といえば、主に抜歯手術ですが時には「歯を抜いた後血が止まらない」とご連絡をいただくことがございます。
ご連絡いただいたということは患者様が不安を抱いていらっしゃると思い、確認のためもあり、ほとんどの場合、来院いただいております。
処置方針
多くの場合は問題なく、洗浄の後ガーゼを丸めてしっかりかんでいただいて圧迫を加え、当院で止血確認の後、帰宅していただいているのですが、ときには血の塊が膨らんだ状態になっていてそのなかでは出血が続いている場合もあります。
そのような場合でも折りガーゼをで圧迫して数分の後ガーゼを静かに取り除いてどこから出血しているか確認します。
当院では大きな血管や神経を損傷するような部位の外科処置はいたしませんので、出血の部位は歯を抜いた跡かその周辺の毛細血管に富んだ組織であることがほとんどです。
もう1度歯を抜いた後をきれいに洗い、ぬいたあとの内面をかき出し(掻爬といいます)局所応用の止血剤を入れ縫合して強く圧迫して止血します
治療経過
今回も出血部位を確認し再度、局所麻酔を行なって抜糸の後歯肉の上皮の内面をきれいにかき出し再び縫合しました。
あらかじめ用意してあったクリアリテーナーを止血に応用しました
止血確認後ご帰宅されました
ご帰宅後、確認のお電話をいたしました。
出血の不安もなくなり、食事もできるとのことで安心致しました
特に高齢者の外科処置を行うときには再度、お薬手帳を拝見させていただくのと、「血液サラサラのお薬」や「骨粗鬆症のお薬」の内服や、定期的な注射について問診させていただいております。
中等度以上の抗血小板薬や抗凝固薬を使用している高齢者の方は、糖尿病、動脈硬化、心不全、不整脈等の全身疾患をお持ちの可能性が高く、外科処置中の急変を考慮して歯科口腔外科に紹介いたします。
久野歯科医院 院長
久野昌士