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常滑の矯正歯科 久野歯科医院 ≫ 院長Blog ≫ 【毎日の診療から】大きく顔の腫れた患者様が来院されました 鬼手仏心と慈心妙手

【毎日の診療から】大きく顔の腫れた患者様が来院されました 鬼手仏心と慈心妙手

開院して116年となりました 常滑市の歯医者 久野歯科医院です

皆様に役に立つ歯科の情報をわかりやすくお伝えします

上顎左側の著しい顔面腫脹の方が来院されました

 
通常の歯科診療をしていた平日の水曜日の午後、急患で新規の患者様からお電話をいただきました。
 
痛みがあり腫れがひかないとの事、痛みがあり、腫れがひどいので予約の患者様の間に診察を受け入れました。
 
年齢は72歳の女性でお薬手帳を拝見しますと耳鼻科でメニエル病のために受診履歴があるほかは目立った既往歴はなく、特筆すべき全身疾患はありませんでした。お嬢様の引率がありました。
 
体温を測ると37.7度で発熱があり、食事がとれていないとお話しくださいました。
 
局所は左側の上方の顔面、目の下まで腫れが広がっておりました。
 
お口の中を拝見しますと犬歯を含む片側の前歯群はなく、腫れの原因歯は上顎左側第1小臼歯であると判断しました。
 
レントゲン写真では根管処置がしてあり、慢性の根端病巣はみられませんでした。
 
患者様に状態の説明とこれから行う処置について説明の後、腫れているお口の中の周辺部に十分局所麻酔を行い、切開し排膿を試みます
 
上顎のお口の中の外側には気をつける大きな神経や血管はありません
 
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切開後膿性・血性の排膿が多くありました
 
多くの量の生理食塩水を用いて膿を洗い流します
 
その後、排膿路(ドレナージルート)の確保のために切開した部位に短冊上にしたガーゼを入れました
 
その後、今日の術後の注意と飲んでいただきたい抗生剤と鎮痛剤の説明をいたしました
 
充分な水分と栄養の補給もお願いしました
 
翌日は当院は休診日でしたが、状態の確認、ガーゼの除去と洗浄のために来院いただきました。
 
熱は平熱に下がり腫れもやや減少しました
 
1週間後にはすっかり腫れがひきました
 
その後、今回の腫れの原因と治療の必要性を説明しました
 
鬼手仏心
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今回のような多くの急性炎症で切開排膿を行うときにはいつも「鬼手仏心」という言葉が浮かんできます
 
鬼手仏心とは見た目は情け容赦ないようだが実は相手のためを思う意向に発することとあり、体にメスを入れ一見、残酷な手術も患者様を苦痛から解放する心のことをいいます。
 
多くの外科医のお医者様は必ず念頭に置いている言葉だと思いますし、歯科は医学領域では外科系の科目ですので、口腔外科医の歯科医は座右の銘にしておられる方も多くいると思います
 
慈心妙手
 
医学で使われる言葉に「慈心妙手」という言葉もあります
 
慈心妙手とは明治時代の慈恵会医科大学の産婦人科医の樋口繁次先生のお言葉で患者に対して慈しむ心を持ち、優れた技術で物事に対応するようにという意味があります
 
急性炎症を抑えて痛みや腫れを取り除き、その後の処置には患者様を慈しみ、最高の技術で治療にあたることは歯科医としてもとても大切なことの一つです
 
 
 
本当のかかりつけ歯科医とは
 
最近では「かかりつけ医」を持つように言われていますが、それと同様に「かかりつけ歯科医」という言葉も使われることが多くあります
 
私が考える「かかりつけ歯科医」とは平時のお口の健康の維持・回復のお手伝いを行うとともに、たとえ患者様の予約で診療時間がとれなくても、痛みの激しい方や腫れが強く体調の優れない方には時間をつくって対応することもかかりつけ歯科医の大きな役目のひとつであると思います。
 
今日来院された患者様は金属床のノンクラスプ義歯を手にお持ちでした。
 
患者様はどうして入れ歯をつくられた歯医者にいかなかったのでしょうか?
 
ノンクラスプの入れ歯をつくった歯医者には何か理由があったと思いますが、お嬢様曰く電話したが診ることができないといわれたそうです。
 
その歯科医は今日いらした急患の患者様にとって本当の「かかりつけの歯科医」ではないと思いますが・・・
 
 
 
今年もあとわずかとなりました。
 
年末年始は行事も多く、ストレスのかかる場面がおおくあります。
 
体調の変化がお口の中のむし歯の痛みや歯周病の急性発作となって現れることも考えられます。
 
お口の中のトラブルが生じたら早めの来院と早めの処置をお願いします
 
 
久野歯科医院  院長
 
久野昌士
 

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