常滑で116年の歴史のある歯医者 久野歯科医院です
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オールセラミッククラウンで上顎6前歯を修復したK.A様の治療報告
患者様の概要
K.A様は上顎の犬歯から犬歯までの前歯の見栄えが悪いことを主訴に来院されました。
現症は歯と歯ぐきの境目の縁が下がり、2次むし歯(2次カリエス)の部位もみうけられます。
お話をお伺いすると最初に高校卒業時にやや反対咬合であったものを正常なかみ合わせにするためにお近くの歯医者さんで前歯を修復したとのこと。
当時主流であった陶材焼付け冠(セラモメタルクラウン)で修復されたようです。
その後、ご結婚され、側切歯と中切歯の4歯を再治療されました。
再治療から28年が経過しているようです。
処置方針
基本的な検査の結果、歯周病も軽症の歯肉炎がある程度で奥歯にもむし歯がなく、かみ合せも安定しているため、歯肉炎の治療と並行して前歯の再治療を行なうことといたしました。
治療経過1
今までのオールセラミッククラウン、セラモメタルクラウンを1歯づつ取り外して歯肉と歯の縁をあわせた仮歯をいれていきます。
歯肉が退縮(さがって)して歯の縁をあわせているため、歯が長く感ぜられ、審美的にはよい状態ではありません
1歯づつ、むし歯がないか、むし歯が進行していないか診査を行い、2次むし歯があれば丁寧にむし歯の部分を取り除きます
犬歯から犬歯までの6前歯、すべての歯のむし歯の治療が終わった時点で、仮歯を全体の歯の形をバランスの良いものに変えていきます。
併せてセルフケアの指導とともに歯周病の治療をすすめます。
必要があれば何度も仮歯の形を変えて作り直しをします。
歯肉の安定していることもとても大切です。
歯肉の状態の良し悪しの判断で歯ぐきの経年的な下がり具合が変わってきます。
治療経過2
6前歯を1歯づつ歯肉に近い辺縁をあわせ、歯の形を修正しながら最終の被せ物に歯の色と材質以外を除いて近づけていきます
治療経過 3
KA様は最初の上顎前歯の修復から長期間、再治療の上顎前歯の修復から28年の年月が経過しています。
本来ならばご本人の加齢を考慮すれば,明度を低く,彩度を高くし色相はオレンジ、黄色系統で歯冠色を技工士(テクニシャン)の方に指示を出すのが通例だと思いますが、ここではアンチエイジングの観点から、ご本人の希望もあり、歯冠色を白くすることにいたしました。
今後は下顎前歯のステイン、着色等を取り除き口腔ケアのモチベーションを高め、長期の修復物の維持に努める予定です